高野連に違法性

,

 1月21日の読売新聞の解説欄に「不祥事『高野連任せ』に限界」というタイトルで、昨夏の広陵高の甲子園辞退に関する記事が掲載されていた。この記事の中で、「同高が県ではなく、まず日本高野連に報告して処分を仰いだ対応は、高校部活動の中でも野球部にしかない仕組みに従ったものだ。」として、高野連の異常性について言及している。

 野球部に不祥事が起こった場合、学校が調査し、報告書を高野連に提出する。日本高野連は大学を含む統括団体の日本学生野球協会に上申し、同協会審査室が処分を決めるという。対象は何と、
・部員間や指導者の暴力
・喫煙や飲酒
・授業中のカンニング
と、幅が広い。この制度は、高野連のみが持つ制度で、高体連に所属する他の競技団体の場合は、学校の処分・指導を優先する。それは、「部活動はあくまでも教育活動の一環で、対応は学校に任せている」という姿勢である。全く正しい。
 高野連が持つこの「司法権」の法的根拠はどこにあるのか。校長の懲戒権は、きちんと学校教育法11条に規定されたものである。ところが、高野連の「司法権」は、同協会の憲章に記載されているのみで、法的根拠はない。そんな民間団体の憲章に基づき、野球部の生徒に懲戒を加えるのは、明らかに違法ではないか。

 私が校長をしていた時も、野球部に不祥事があった。当時の高野連は、まるで校長を指導する立場のように、高野連の指示を校長に通達してきた。校長を指導・指示できるのは、教育委員会であり、民間団体である高野連ではない。

 今回の広陵高校問題で、このような高野連の限界と違法性も明確になったのではないだろうか。今回の広陵高校問題は、いじめ重大事案である。今回の事件程、私立強豪校の不誠実な体質を露わにした事件はない。神戸大学の山下晃一教授は、「特に評判が経営に直結する私立校は問題を矮小化する傾向がある」と指摘している。全くその通りだろう。4月から始まる高校無償化についても、このような私立高も対象にして良いのかどうか、検討すべきだ。犠牲になるのは、生徒なのだから。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP