高校生がサイバー攻撃


 複合カフェ「快活CLUB」の運営会社にサイバー攻撃を仕掛け、同社の業務を妨害した大阪市平野区の高校生が逮捕された。容疑を認め、「システムの脆弱(ぜいじゃく)性を見つけるのが楽しかった」と話している。事件の詳細については、ニュースでも新聞でも大きく取り上げられているので、ここでは触れない。

 おそらくこういう事件が起こることで、学校現場にまた負荷がかかるという事だ。教科「情報」の授業で、もっと情報モラルを教えるべきだという声が高まるに違いない。私は、数学の教師だが、情報の免許も持っている。一時期であるが、実際に情報の授業を数年間教えていた。情報の授業では、情報に関するリテラシーを教えるが、それと同じほど情報モラルを教える。今も高校の現場では、情報モラルを教えているだろう。しかし、このような犯罪に手を染める生徒は出てくる。この生徒は、小学生の頃からプログラミングを独学で学び、サイバーセキュリティーの技術を競う大会で入賞したこともあったという。素晴らしい能力を有し、自分の能力を他に認めてもらいたくて、犯罪に手を染めたのだろう。明らかに自己実現の方向が誤っている。

 ここで言いたいのは、いくら情報モラルを教えても、このような犯罪に手を染める生徒は出てくるという事だ。例えば、情報モラル以外の犯罪で考えても、人のものを盗むな、人を傷つけるなという事は、至る所で教えられる。しかし、この手の犯罪が無くなることはない。知識として、何をやってはいけないかという事は、情報の授業で教えなければならないし、現に教えているだろう。しかし、この生徒のように、「わかって犯罪に手を染める」という事は、情報モラルを教えるだけでは防ぎきれない。

 それではどうすれば良いか。今回の事件のように、厳罰に処せば良いのだ。サイバー犯罪に手を染めた生徒を、どんどん逮捕し、罪を犯せばどのようになるかを知らしめれば良い。それでも、「俺は捕まらない」と高を括る若者も出てくるだろう。そういう考えを持っている若者は、いくら学校現場で教育を行っても自らの過ちに気付かない。捜査―逮捕という強硬手段に訴えるしかないのだ。

 おそらく今回の事件で、また学校現場に教育の課題が押し付けられるだろうが、学校教育で解決できることとできないことを社会は明確に区別すべきではないか。


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