通信制課程の課題は何か

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 3月25日に高校教育を巡る課題について幅広く検討する「高等学校教育の振興に関する懇談会」の第3回会合が開かれ、通信制課程における教育課程を巡って意見が交わされた。論点は、①添削指導回数・面接指導の単位時間数の在り方②メディア減免の在り方③単位数の柔軟化との関係という事である。詳しくは、教育新聞のネット版(契約しないと全文は読めない)に掲載されているので、以下のURLを参照してほしい。

https://www.kyobun.co.jp/article/2026032502

 この会議では、そもそも通信制はどうあるべきかについて議論されたようだ。通信制課程は、当初は勤労学生を対象に設置された課程であるが、現在では不登校生徒が6割も通うようになっている。また、高校中退の転入学ではなく、中学校卒業後に通信制課程に進学する生徒も増えているのだ。確かに、私の勤める通信制学校でも年を経るごとに、不登校生徒、中学卒生徒の在籍が増えている。

 会議では、このような通信制課程の変容に対して、教育の質を担保することが議論されている。確かにそうだ。私は数学教師なので数学Ⅰを教えているが、数学Ⅰの単位認定された生徒たちが、どれだけ数学Ⅰを学んだと言えるかとなると、頭を抱えざるを得ない。やはり、授業水準も文科省の高卒認定試験レベルに近づけなければならないだろう。しかし、現実にはそのようなことをすれば、単位不認定の生徒が大量生産され、「あの通信制に行っても単位認定が厳しくて、高卒資格がもらえない」という評価になる。そうなると、私立学校である通信制高校の経営は成り立たない。現実と理想の間で悩むところだ。

 この会議で議論されていないことを指摘したい。それは進路保障という事だ。全日制課程を卒業した生徒の進路決定率は95%以上と聞くが、通信制課程の卒業生の進路決定率は、それほど高くない。因みに私がチューターをしているクラスで24人が卒業したが、そのうち進路決定者は18人、75%の決定率である。中学校卒の生徒は、比較的進路を決定して卒業していくが、不登校生徒に関しては卒業後の進路を決めずに、とりあえず「アルバイト」という生徒が少なくない。社会との交流が希薄であるため、進学する・就職するという決定ができにくいようだ。
 このような生徒たちにどのような進路指導をするか、もっと言えば生き方も含めたキャリア教育をどのようにするのかという事が、通信制の大きな課題である。

 日々色々考えるところであるが、なかなか妙案が見つからない。


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