元旦の新聞各社も、そしてテレビも能登半島地震から1年の特集を組んでいる。正月の4時10分という最も1年でゆったりした時間に発生した震度7の地震。あれから1年が過ぎた。マスメディアで報じられている内容の多くは、未だ復興が道半ばにも至っていないという現実。そしてその中で、必死に前を向こうとしている被災された人々の姿である。何とか前を向こうと努力している人や、互いに助け合いみんなで一歩でも半歩でも前に進もうとしている人々の姿は、多くの人たちに感動と共感を呼び起こす。報道する側としては、完璧なストーリーだろう。
だが、ここで考えなければならないのは、1年も経って未だ道半ばにも至らない復興の現実だ。なぜこのような現状になっているのか、ここにこそマスコミが鋭いメスを入れなければならない。災害の中で前を向こうとしている人々の姿は、自助であり、共助である。しかし、最も復興を推し進めるのは、公助であろう。国や行政が大胆に復興を後押しすることが必要なのである。公助があっての自助・共助なのだ。公助が足りない最たるものが、復興に向けた補正予算である。国は、地震発生以来ずっと予備費で対策を賄おうとしてきた。このやり方だと、家屋の全壊・半壊までも国が判定を行うことになり、手続きが煩雑極まりない。補正予算を組んで、自治体に予算をどーんと与え、自治体で復興を担うこと。担いきれないところには、国がリーダーシップを発揮して、広域行政の支援を行うことである。こういう対策に関して、もっとマスコミは政府の無策を追求すべきではないか。
自助や共助の頑張りを報道するだけで良いのか。マスコミはもっと自らの役割を考えるべきだろう。
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