9月17日の東京新聞のweb記事で、「いじめ問題、教育委員会の『隠蔽体質』あちこちに 資料破棄、議事録作らず、虚偽答弁…習志野市議会で批判相次ぐ」という内容が掲載された。併せて、9月5日には、「理解の欠如、判断の誤り…習志野市立小学校のいじめ、「再調査委員会」が「対策委員会」を厳しく批判した」という記事が掲載されている。
早速、再調査委員会の報告書を読んでみた。びっくりである。学校現場の5年生担任、学校長のいじめに関する認識不足はもちろん、習志野市の教育委員会の指導主事にも問題があるようである。さらに、その調査をした「対策委員会」にも問題があるという指摘である。これでは、いじめ被害児童やその保護者は、為す術がない。
再調査委員会が指摘した問題点を項目だけ掲載すると以下のようになる。
1.基本的ないじめ法制度に対する理解の欠如
(1)いじめとしての評価・認知と対応についての知識・理解の欠如
ア 法文上の「いじめ」概念・対応についての知識・理解の欠如・誤り
イ いじめに対する組織的対応に関する法制度についての知識・理解の欠如
ウ いじめに関する基本的知識・対応の欠如
(2)いじめの重大事態の調査に関するガイドラインに対する理解の欠如
ア いじめ重大事態報告についての理解の欠如
イ いじめ重大事態調査についての知識・理解の欠如、対応に関する判断の誤り
ウ 再調査申入への対応の誤り
2.原調査委員会の人選の不適切
(1)事務局の人選の不適切
(2)委員会構成員の第三者性をはじめとする委員会運営の問題
3.文書作成・保管義務の不遵守
(1)原調査委員会の議事録の不存在
(2)原調査委員会の記録の不適切な廃棄
4.教員の不適切対応に対する指導の不十分さ、資料の不存在
もうこれだけの内容についても、習志野市のいじめ防止対策は一体どうなっているのかと思ってしまう。いじめ防止対策推進法は、2013年9月に施行されている。施行されて、丸12年が経過するのだ。それだけ経過しているのに、こんな認識の教師、校長、教育委員会があるとは!これでは、いじめが無くなるはずはない。
この再調査委員会の報告書を他人事とせず、全ての教育関係者が目を通すべきだろう。未だに、謝罪の場を設けて、いじめ被害者に加害者が謝罪したら解決と思っているこの5年生の担任のような教師が、学校現場からいなくなることを願うばかりだ。
いじめ重大事態に関する再調査報告書 (公表版)
https://www.city.narashino.lg.jp/material/files/group/32/houkokusyo.pdf
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