給特法の改正案の行方は?

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国会で給特法の改正について、議論が始まっている。主な改正案は、
☆教職調整額の引き上げ:2026年1月から毎年1%ずつ引き上げ、2031年までに10%にする。
☆主務教諭の設置:若手教員のサポートや学校内外の調整役を担う新たな職位を設ける。
☆働き方改革の推進:各教育委員会に業務量管理・健康確保措置実施計画の策定と公表を義務付ける。
である。

これに対して、野党を中心に批判がなされている。10%に引き上げようが、在校等時間外に相当する残業手当には到底達していない。いわゆる「定額働かせ放題」は続くのだ。更に、働き方改革の推進として教育委員会や管理職にグリップを聞かせていると中教審の議論に参加した青木教授(東北大学)などは主張するが、学校現場はかなり働き方改革を進めており、これ以上の働き方改革を進めようとすれば、「乾いた雑巾を絞る」ことになるだろう。タイムマネジメントを主張する意見のバックボーンになっているのは、「まだ雑巾を絞れば水が出る」と考えているからだ。しかし、学校現場は、もう「乾ききっている」のではないか。これ以上の働き方改革を進めるためには、佐久間教授(慶応大)、末富教授(日大)が言うように、
①教員の定数増
②スクールソーシャルワーカー(SSW)、スクールカウンセラー(SC)、スクールロイヤー(SL)などの学校への配置
の2点が重要になる。少数与党の国会で、果たして野党はこの給特法に対してどのように対応するのだろうか?

 極端なことを言えば、給特法を廃止、または大幅改正し、労基法に基づく残業手当を支給する法案を野党が共同提案すれば、今回の給特法改正案は廃案となる。更に、②に示した配置を順次計画的に実施し、令和8年度から予算に組み込むという事もできる。要は、野党のやる気次第なのだ。今国会でどんな動きになっているのだろうか。全然、伝わってこない。

野党こそ党利党略ではなく、国民の教育のために教員の働き方改革を進める動きをしてほしい。

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