本来なら、日経新聞の社説について書くつもりだったし、産経新聞の社説についてのブログをアップする予定だった。が、1月4日の朝刊を見ると、1面記事にとんでもない内容が載っていた。米のベネズエラ侵攻、マドゥロ大統領の拘束・拉致である。2026年が明けて三日も経たない中での国際的事件である。少しだけ、日経新聞の社説に触れておくと、いろいろなことに触れられていて、「腰が落ち着いてない」という印象だ。もっと経済的な視野から、どーんと2026年に関して書かれた社説を期待していたのだが、それもいろんなことがバラバラに書かれている印象だった。読まれた方は、どう思っただろう。
さて、アメリカトランプ大統領のベネズエラ侵攻である。年末からタンカーを拿捕したり、船を爆撃したり、はたまた空母打撃群を展開したり、麻薬に関する犯罪を訴えるには、あまりにも度が過ぎると思っていたら、とうとう地上戦に踏み切ったのだ。名目は、麻薬密輸に関与したとするマドゥロ大統領を刑事訴追するために、逮捕状を執行する当局者を守るためだが、このようなことを国際社会の誰が信じるだろうか。
要は、アメリカにとって裏庭と思われている中南米における反米・新ロ中政権の存在が気に食わないこと、そして埋蔵量世界一という石油の利権を握りたいということだ。「アメリカンファースト」を標榜しながら、他国に侵攻する、それも国際法に違反して主権を侵害するような帝国主義丸出しの手法で侵攻したのだ。この事件の国際的な影響はとても大きい。
このアメリカの仕業は、ロシアのウクライナ侵攻、中国の「台湾統一」の思惑と何ら変わらない。一方的に主権を侵害する国際秩序の侵害であり、法による支配への挑戦だからだ。こんなことを言うと、トランプ大統領やそれを支持するアメリカ国民は、「そんなことは無い。我々にはきちんとした正義がある」と言うかもしれない。それ言ったら、プーチンにも「正義」があるし、習近平にも彼らなりの「正義」があるのだ。これで、アメリカは、ロシアを批判できないし、中国の台湾侵攻が起こっても、国際秩序を名目に行動できない。何とアメリカは馬鹿な事をしたのか。アメリカもロシアも中国も「ならず者国家」として、「同じ穴の貉」となってしまった。
さて、日本である。このような場合、日本は必ずアメリカの行いを支持してきた。アメリカの信頼を損ねると、日本の国際的位置が危うくなるからだ。しかし、それで良いのか。「帝国主義的牙をむき出しにした法の支配、力による現状変更」であるとロシアや中国を批判してきた日本が、同じことを行ったアメリカを支持するのか。そんなことをしたら二枚舌となり、アジア諸国やグローバルサウスの信頼を損ねる。高市首相は、今こそ「言うべきことは言う」とアメリカに苦言を述べるべきではないか。
事態は、そんなに簡単な事ではないことは、容易に理解できる。しかし、日本の自律的外交に向けて、その一歩を踏み出す時ではないだろうか。

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