理解を深めるコツは?


 島根県立松江北高校で、生徒が教師役を行い、授業を行う学習方法が取り組まれているという。生物の授業をテーマ別に分担し、教壇に立って分かりやすく説明する。調べながら学ぶことで興味関心や理解を深めるとともに、質問し合うことで集団での学びにつながっているという。これもアクティブラーニング、「主体的・対話的で深い学び」の一つの形だろう。

 同校では2022年度、元校長で現在は非常勤講師を務める泉雄二郎さん(68)が担当する生物の授業で、生徒が生徒に教える取り組みを導入した。教科書のページで振り分けた内容を生徒が解説する。事前に泉さんが示した重要なポイントを参考にしながら生徒自身が説明を組み立て、興味に応じて発展的な内容にも触れる。スライドや資料も生徒が準備し、分かりやすく簡潔に説明するという学習形態である。中々成果を上げているらしい。

 私も、このような学習形態を実施している授業に出会ったことがある。この二つの授業は、違う学校で校長として授業見学をしたのだが、とても対称的であった。結論から言うと、一つは浅い学びしかできておらず、もう一つはびっくりするほど深い学びが行われていた。

何が違うのだろうか。それは、生徒が授業を行うまでの事前指導である。
生徒が行う授業の内容のポイントは何か、
授業のゴールは何か、
どのように教材を用意すればよいか、
教科書の内容以上に学習を深めるには何をすればよいか
などなど、教師が求めるレベルまでに生徒の事前学習を引き上げられるかという事にかかっている。

 この松江北高校は、島根県でもトップの進学校である。生徒の学習意欲も強い。そういう生徒たちの集まりなら、この学習形態も効果は大いに発揮するだろうと思う。私が経験した学校は、中堅進学校である。教師のリーダーシップが無ければ、いや強固なリーダーシップがあってもなかなか生徒の授業力のUPは難しい。うまくいっている授業とうまくいっていない授業の差は、どこにあったか。それは昼休み・放課後も含め、教師の献身的な関わり方にあったと思う。要は、時間である。

 この授業の成功の鍵は、生徒の学習意欲の高さと、教師の献身的な関わりにある。松江北高校の元校長の先生も、非常勤講師である。これはあくまでも想像であるが、非常勤時数以上の関わりをこの先生はしているのではないだろうか。

生徒が教師役に挑戦 質問のし合いで学力向上へ 島根県立松江北高の生物授業 事前準備でも理解深まる
https://news.yahoo.co.jp/articles/0577e8390918e5b7d50e4256b74f168a04c80fdb


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