熊本市の選択

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 2月7日の読売新聞スポーツ欄に「『部活動継続』熊本市の選択」という大きな記事が掲載されていた。熊本市は、部活動の「地域移行」を行わず、部活動を継続するらしい。その理由は、「熊本では『部活は教育的意義が大きい』、『トラブルや相談事への対応は、外部の人材には荷が重い』という考え方が根強い」ということらしい。そして、部活動指導員も元教員から厳選して任命するために、全国の20政令市で最少だという。この判断について、皆さんはどのように思いますか?私は反対ですし、疑問があります。

 「部活が教育的意義が大きい」というのは、誰しもが認めることです。全然異議はありません。だからと言って、そのことを理由に「部活動は学校が担うべき」という結論に直結するわけではないと思うのです。教育的意義が大きいからこそ、多くの大人、多くの地域の子どもと出会う機会が多い民間での部活動という選択も成り立つわけです。また、「トラブルや相談事への対応は、外部の人材には荷が重い」というのだが、この課題は地域移行を行う上で、どこの地域でも課題となる問題だ。最初は、様々なトラブルや相談事もあるでしょう。そして学校と民間クラブとの行き違いや誤解も起こるでしょう。しかし、このような課題を乗り越えた後に生まれる財産はとても大きい。子どもや保護者にとっては、関わってもらえる大人(=社会インフラ)が学校だけではなくなるからです。そちらの財産の方がよっぽど教育的意義が大きいと思うのだが、どうも熊本市は違うらしい。合同部活動で乗り切るらしい。

 この熊本市の判断、どうも私には安易な方向に流れているように見えます。楽だからです。現状はほとんどマイナーチェンジで済んでしまいます。新たな課題に挑戦しようという気概が感じられないし、子どもを取り巻く新たな財産を産み出そうという意欲も感じられません。結局、教員の負担がいままで通り継続していく。この判断に熊本市の教員はどのように考えているのでしょうか。一度聞いてみたい。


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