泥沼化する広陵高校野球部問題


 毎日新聞によると、複数の部員や保護者の代理人弁護士が、「全く関係のない部員を中傷している」などとして、部員を中傷した交流サイト(SNS)の投稿の削除請求や発信者情報開示請求などの法的措置を取ると明らかにしたという。

 被害者が加害者と思われる人物をSNSで晒し、加害者側は関係していないと被害者側を訴える。もう、相当な泥沼である。生徒間、保護者間の対立に発展している。加害者側も被害者側も、なぜこのような行動をとるかと言えば、学校が事実関係の調査を早急に行わなかったからである。1月に発生したカップ麺を巡る暴力事案について、集団暴行、いじめ重大事案として、早急に第三者委員会を立ち上げ調査を開始していれば、こんなことにはならないだろう。暴力の実態は未だに明らかにならないが、現在設置されている第三者委員会の役割はとても大きい。私は、以前このブログで、この第三者委員会の役割について、「広陵高校第三者委員会の役割」で6つの役割を示した。

 ただ、この第三者委員会の設置についても、あまりにも遅すぎた。学校側が被害者側から言わせると、暴力事件の矮小化を図り、夏の大会への参加を優先したため、そして事実関係の調査を内部調査に委ね、十分に行わなかったゆえに、SNSや週刊誌などへの投稿に活路を見出すしかなかった旨は、今月号の文芸春秋にも記載されている。つまり、このような泥沼化をもたらしたのは、広陵高校のこの問題へのリスクマネジメントのまずさ以外なにものでもない。

 問題の渦中にある中井氏は、監督こそ外れたが、学校経営の中枢である副校長のポストに未だ座っている。このような姿勢が広陵高校の問題なのだ。果たして第三者委員会は、どのような調査報告を出すのか。私は、ものすごく楽しみにしている。


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