泉北高校 ベストナッジ賞受賞!


 大阪府立泉北高校が、環境省が主催する「ナッジ」理論を活用するコンテストの高校部門で、ベストナッジ賞を受賞した。読売新聞の地方版に掲載されていたので、このブログでも紹介し、広く皆さんに知ってほしいと思う。面白い取り組みだ。
 ところで、「ナッジ」理論はご存じだろうか。私は初めて知った。ナッジとは、「そっと押す」という英語であるが、「ナッジ」理論は以下のように定義されている。

経済的なインセンティブを大きく変えたり、罰則・ルールで行動を強制したりすることなく、行動科学に基づいた小さなきっかけで人々の意思決定に影響を与え、行動変容を促す手法・戦略

 である。泉北高校の3年生5人は、どんな実践をしたか。それは、ペットボトルのごみの分別である。どうも、校内ではきちんと分別されていなかったらしい。この分別を行うために、二つの方法を考えた。それが、①「中身の見えるゴミ箱の設置」と②「分別方法を示したポスターの掲示」である。そこで、この方法が有効かどうかを検証するために、校内に、次の4つの組み合わせを考えた。
A)①・・・〇②・・・〇
B)①・・・✖②・・・〇
C)①・・・〇②・・・✖
D)①・・・✖②・・・✖
そうすると、A)の組み合わせが、40ポイント分別率がアップしたというのである。この5人は、泉北高校がある堺市の市長にも報告し、市長も本庁などでの実施を前向きに検討したいと応じていた。
 
 なかなか面白い取り組みである。まさに身の回りから変革を起こす「50㎝革命」だ。それも中身が見えるゴミ箱とポスターの設置という簡単な仕掛けで効果を生むというところが素晴らしい。この5人は、2年生の時に「仕掛けを使ってより良い学校へ」という授業を選択したらしい。この取り組み、まさに探究学習の典型のような取り組みだと思う。このような取り組みが、大阪府立の学校で行われていることに感動した。私がまだ府立高校に勤めていたころに、探究学習の導入に力を入れたが、まだまだ「点」の取り組みだった。泉北高校は、SSHの指定校であるので、取り組みに向けた環境も整っていたのだろうが、このような実践が、全府立高校にも広がることを期待したい。


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