橋下徹氏は、やはり教育現場をわかっていなかった!


 日曜日、朝の7時30分から放映されているフジテレビ系列の日曜報道は、できる限り見るようにしている。割と、重要人物が登場し、コメンテーターの橋下徹氏と丁々発止の議論を展開するので、他の硬派の番組、特に8時から放送されているTBS系列の番組よりは、切れ味がよいと思っている。ロシアのウクライナ侵略が始まった当初、戦争終結のために停戦を主張した橋下氏に対して、櫻井よしこ氏が鋭い反論をしているのは、見ごたえがあり、「櫻井氏に軍配!」と感想を持った。
 6月11日のテーマは、少子化及び教員問題である。ゲストは、元文科大臣でもある萩生田氏。いよいよ教員の働き方改革の時間になったとき、冒頭でさいたま市の小学校の先生の1日が紹介された。その先生の1日もある意味凄まじい1日であるが、まだ小学生は4時には下校するので、そこから「自分の仕事の時間」が取れる。しかし、中学校の教師にとっては、授業が終わってもまだ部活動がある。これが、小学校教員より中学校教員の時間外勤務が多い所以である。萩生田氏は、教員の働き方改革で自民党の政策案を紹介した。教職調整手当の4%からのアップ、10%程度を想定しているようだ。それに加えて各種手当の創設など、現在文科省が中教審に諮問している内容を超えるものではなかった。
 続いて、橋下氏の出番である。彼がフリップで出したのは、「脱・金八先生」である。彼の主張は、働き方改革の要諦は、教員の意識改革にあるのだということである。つまり、何でもかんでも教員が抱え込まず、もっとタイムマネジメントを考えたらどうか、という問題提起である。確かに彼が指摘するような教員もいるだろう。しかし、教員志望の若者が極度に減少している現状をみると、誰も教育への情熱だけで学校現場の仕事を乗り切れるとは思っていないのである。つまり、金八先生でさえ、耐えきれないほど学校現場は過酷なのだ。彼はこの点を全く理解していない。給特法が、施行された当時の教員の時間外勤務は、月平均8時間程度だったらしい。これを基準に4%の教職調整が設定されたらしい。今や、45時間越えの教員が70%前後を占める教育現場では、教職調整手当を20%にしても足りない。この現実に橋下氏なら、もっと切り込んでほしかったが、どうも橋下氏の刀もなまくらだったようだ。
 橋下氏よ、あなたには「給特法廃止!」に切り込んでほしかった!


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