校則どうあるべきか


 読売新聞の教育特集の「新学力 第一部」が期待外れに終わった。1月30日も教育の欄を読んでいると、投書欄に目が留まった。浜松学芸中学校・高等学校の生徒たちの投書が掲載されていた。テーマは「校則どうあるべきか」である。高校1年生の井上 凌我さんの投稿内容は明確だ。校則は、
 第一に、内容が明確であるべき
 第二に、社会や時代の変化に即した内容であるべき
 第三に、校則の決定と改正に生徒が関わるべき
というものだ。鳥居 芽紗さん、川波 咲穂さんの投稿内容も、この3点が含まれる。ルールメイキングの基本だろう。
 村松 百合香さんの問題提起は多くの中学生、高校生が考えるべきだろう。制服の自由化を行うときに必ずといってぶち当たる壁である。村松さんは、生徒会役員として多くの生徒の意見を聞く機会を得たという。この学校では「カジュアルデー」が開催され、私服で登校しても良い日らしい。「自由で良い」「私服が楽」という意見がある一方、「私服は用意するのが面倒」「制服は生徒の安心感や責任ある行動につながっているのではないか」という意見が寄せられた。この意見に接して、村松さんは「制服は、『生徒を縛るだけでなく、役立つ。生徒を守る』と言えると思った」と述べている。これもルールメイキングの重要な視点だ。

 ルールメイキングで大事なことは、「何のためのルールか?何のためのルール改正か?」という目的を明確にすること、そしてその目的を生徒や教職員、保護者も含めて共有することである。そうしないと、多数の意見が少数意見を抑圧したり、無視したりしてしまう。
 例えば、この学校で制定された「カジュアルデー」。制服ではなく私服で登校しても良い日となっているが、厳密に言えば、制服で登校しても良いわけである。しかし、制服で登校した生徒が、逆に変な目で見られるようでは良くない。みんなが幸せな学校生活を送ることができるように、共通の理解が必要なのだ。制服で登校した生徒も私服で登校した生徒も、ともに理解し尊重されることが必要である。そんなルールメイキングが求められる。

 最後にこの欄を担当した新居益記者のコメントについてコメントしたい。
「今回の投書には、社会に出る準備として積極的に守るという視点も多数ありました。生徒はおとなしくなったとも成熟したともいえるような気がします。」
というコメントが載っていた。新居記者様、あなたが感じていることは、ステレオタイプの「高校生は、ルールを破って羽を伸ばすもの」という視点ではないですか?あなたが感じている以上に、高校生は物事をよく考え、真剣に学校生活を送っていますよ。もっと、記者らしいコメントをお願いします。


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