東京都とは思えない

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 11月13日の教育新聞に、「公立中部活動『拙速な学校分離』に警鐘 都有識者会議で慎重論相次ぐ」という記事が掲載された。何かにつけて、国の教育政策の先頭を走る東京都からすると、信じられない後ろ向きな会議である。

記事から発言を抜き出すと、
「部活動が学校から離れたら、一人の生徒に対しての情報連係がどこまでできるのか。関わりの難しさが出てくるのではないか」
「悩みや困難を抱えている子どもたちにとっても、部活動は大切な居場所になっている」
「学校から部活動を切り離していくのは難しい」「全ての地域で、全ての競技の受け皿を用意するのは難しい」
「小学生からは、『中学生になっての一番の楽しみは部活動』という声がいまだに多くあがる。こうした子どもたちの思いにも寄り添いながら、長い期間をかけて、変わっていくしかないのではないか」
である。

 このような内容は、すでに政府のスポーツ庁で議論されつくした内容である。このような懸念を乗り越えて、教員の働き方改革の推進のために、部活動の地域展開を行うと決めたのではないか。この会議でも教員のアンケート調査結果が報告されており、部活動の指導や運営に対しおよそ75%が負担感を訴えている実態が報告されている。

 地域資源も人材も地方に比べて豊富である東京都で、このような意見が出されることに暗澹たる思いがする。どうすれば、このような懸念を克服することができるのかという知恵を出し合うのが、この東京都の会議の任務だろう。

あまりにも情けない。

https://www.kyobun.co.jp/article/2025111305


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