日本維新の会は、敗北する!

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 高校教育の無償化で、自民・公明の与党と野党である日本維新の会が最終合意した。このことで、25年度予算案の成立の目途がついた。高校無償化により、10代の若者を持つ家庭は、恩恵を受けることになる。家庭の経済格差によって、高校選択に影響を与えることが無くなることは良いことだろう。ただし、これをもって、高校教育の質の向上に結び付くかは定かではないし、次の一手を打ち出さなければ、全国で(特に都市部で)公立高校の「地位低下」が起こる。何度も述べているが、大阪府の「社会実験」で、明確に副作用が生まれているのだ。公立高校の約半数が定員割れを起こしているのである。今後どのような施策が必要かについては、以下のブログでまとめたので、一読してほしい。

高校無償化が教育の質の向上になるために – yoshiの教育ブログ

 今回のブログで述べたいのは、この状況で予算が成立すれば、確実に次期参議院選挙(もしかしたら衆参同時選挙)で自民党は大敗するだろうし、日本維新の会も負けるだろうということだ。日本維新の会にしてみれば、自党の公約を実現したにも関わらずである。その理由は、明確だ。国民民主党が主張する「103万円の壁」問題を置き去りにしたからだ。置き去りにした第一の責任は、自民党にあるのは明白だ。だが、同じ野党であるにも関わらず、互いの政策実現に協力をせず、自党の政策実現に向けて先を争ったためである。国民民主党にも責任はあるだろう。しかし、国民には、「与党に手を貸したのは、日本維新の会、そのために『103万円の壁』が解決しなかった」と映る。

 せっかく少数与党なのだから、本来は立憲民主党・国民民主党・日本維新の会が同じテーブルについて、政策協定を結び、3党が統一して予算修正を行うべきだったのだ。そうすれば、与党自民党が野党に手を突っ込み、分断されることもなかった。選挙においては、立憲民主党も国民民主党も、与党自民・公明を攻撃できるが、日本維新の会は予算に賛成した限り、与党を攻撃する理由が無くなる。そして、高校無償化で恩恵を受ける国民よりも、圧倒的「103万円の壁」問題の解決で恩恵を受ける国民の方が多いのだ。日本維新の会は、戦略・戦術を間違ったと言える。国民民主党は、変に妥協せずに、自党の政策を貫くべきだろう。そうすることで、次期国政選挙で大きく躍進する可能性がある。

 この今の野党の状況、関ヶ原の合戦の西軍の状況に似ていないか。決戦に向けて、西軍が大垣城で軍議を開いたときに、石田三成が各軍の作戦を協議しようとしたが、これがまとまらず、「各陣で個々に判断して闘う」という結論になってしまった。そのため、合戦当初は西軍・東軍が互角の戦いをしていたにも関わらず、西軍では島津軍をはじめ、静観する大名が多くあった。奮戦していたのは、石田・宇喜多・小西・大谷軍ぐらいである。この時、静観している西軍が参戦すれば、情勢は一挙に西軍に傾いた。更に、小早川秀秋の裏切りも阻止できたかもしれないのだ。
 このようなまとまりを欠いた西軍を作ってしまったのは、ひとえに石田三成のリーダーとしての力量不足にあるだろう。東軍のように家康という統率力のあるリーダーがいればまとまったであろうが、西軍の総大将たる毛利輝元さえ、大阪城に留まり戦場に出てこない状況では、西軍の敗北も事前に決まっていたのかもしれない。

 今の立憲民主党・国民民主党・日本維新の会もよく似た状況だ。立民の野田氏・国民の玉木氏・日本維新の会の前原氏、この三者はもともとのルーツが民主党にある。そこから袂を分かつことになった間柄だ。頭で政策協定の事が理解できても感情が動かないというところがあるのではないか。本来なら、最大野党の立憲の野田氏がもっとリーダーシップを発揮しなければならない。しかし、立憲民主党も国民民主党の「103万円の壁」に対抗して、「130万円の壁」という方針を打ち出し、独自性を出してしまった。これでは、野党はまとまらない。

 さて、この混沌とする政治状況、次期国政選挙で国民はどのように判断するだろうか。私は今まで大阪維新の会、日本維新の会に投票してきたが、次回の選挙は、いったん白紙に戻して考えてみたい。


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