日大アメフト部の廃部問題

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 マスコミでも再三取り上げられている大麻使用による日大アメフト部の「廃部問題」について、コメントしたい。廃部か否か、何を基準に議論しているのだろうと思ってしまう。廃部に該当する場合とは、
①組織ぐるみの不祥事であること
②不祥事が、組織的でなくても部内に蔓延していること
③不祥事が一部でもほとんどの部員が不祥事を知っており、自浄作用が働いていないこと
が考えられる。この基準で考えると、今回の日大アメフト部の大麻問題は、
ア)10人程度の大麻使用
イ)他の部員は知らなかった
ということもあり、廃部に該当するとは思えない。もし廃部にすれば、多くの部員が不利益を被り、こちらの被害の方が大きくなる。
 この廃部問題の背景には、スポーツ界によくある連帯責任という発想である。その権化とも言えるのが、高野連である。私が校長をしているときに、野球部の部員が部内で問題を起こした。すでに高校としての指導をしているのに、高野連は野球部全体に対する処分を下した。この時も、組織的な不祥事ではなかった。特定の生徒が起こした問題であり、構図としては今回の日大アメフト部の問題と一緒である。
 なぜ、連帯責任という発想になるのであろうか?一つは、連帯責任であるから自浄作用を働かせようという目的があるかもしれないが、そう簡単な問題ではない。そこには、まだ10代や社会人でない学生の複雑な人間関係が関係してくる。大麻が若者に蔓延する原因も、「友達に誘われた」「先輩から言われ断れなかった」などがあり、そこには複雑な人間関係が垣間見られる。

 「廃部」程の処分が必要なのは、宝塚問題だろう。これは、100年の歴史の中で積み重ねられた悪しき伝統の結果である。先輩から後輩に脈々と受け継がれていった組織的な問題である。宝塚こそ、「解体的出直し」が必要になる。宝塚問題では、人の命が失われているのだから…


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