教育ルネサンス 先生 第2回 学校統廃合の難しさ


 昨日に引き続き、読売新聞教育ルネサンスには、先生シリーズの第2回が掲載された。今回は、札幌市の学校に通っていた学生が、教育実習をへき地学校で行った話である。複式学級や体育を全員で行う話、そして学年の垣根を越えて子どもたちの人間関係が濃密で、互いを思いやる子どもたちの姿が報告されている。この学生にとっては、教師をめざす上でとても貴重な体験だったのだろう。「この経験を糧に来年絶対教師になる」と小学校の採用試験を受験するらしい。
 へき地教育を私は経験したことがない。少人数の複式学級ならではの教育効果が表れているようだ。今後、少子化が加速度的に進んでいく中で、学校の統廃合、小中一貫校、義務教育学校などが進んで行くだろう。その一方で、通学困難な児童・生徒が発生し、スクールバスの運用を行わなければならない自治体も出てくる。私が勤めていた附属中学校のある加東市は、社・滝野・東条の三町が合併した市である。市には、3つの中学校があるが、義務教育学校に改編する計画が進んでいる。すでに東条地区は新しい学校が開校され、モダンで先進的な校舎が建設されている。社中、滝野中と順次開校準備が進むが、遠距離の通学を強いられる小学生も出てくるだろう。自治体の教育行政としては、悩ましい所である。
 このような統廃合を進める自治体もあれば、スクールバス運用や校舎建設などの費用を考え、統廃合をしない自治体もある。教育政策リーダーコースで学んだとき、そういう自治体から来られている方の実践を聞いた。大阪という都会でずっと教員をしていた私にとっては、とても新鮮に映った話である。地元にとって「学校が無くなる」というのは、地域のコミュニティにとって大きな損失になるのだろう。北海道から来られている方からは、道立高校が無くなるので、町立に移管したという話も聞いた。やはり、学校というのは大きな存在なのだと、存続の危機が目の前に迫って初めて感じることである。

 この記事の横にジブラルタル生命が実施した教員意識調査の結果が出ていた。調査結果について、またコメントしたいと思う。


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