神奈川県の葉山町と東京学芸大学が共同で、OECDが提唱する教育のWellbeingに関する主観的指標づくりに取り組むと発表した。学校評価に関するアンケート結果を改定することで取り組むという事だ。なかなか面白い。教育新聞によると、以下のように紹介されている。
同町と同学は24年1月に包括連携協定を締結しており、共同研究はその一環でスタート。同町立長柄小学校で先行して、学校評価に用いられている児童アンケートを見直した。例えば、「学校では楽しいと感じることはどれくらいありますか」「学校では自分でものごとを考えて決めることはどれくらいありますか」といった、ウェルビーイングなどに関する項目を意識的にアンケートに組み込み、他者との協力に関する数値が比較的高い傾向にあることが明らかとなった。この試みで得られたデータは、教員の肌感覚とも近いものだったそうだ。
このWellbeing指標は、各自治体、各校のオーダーメイドになるようだ。学芸大学では、今後も他の自治体と指標づくりを行うという。興味深い取り組みである。この学校評価は、もともと「学校をドックに入れて点検する」という趣旨で行われている。あくまでも学校経営についての総点検を行うツールだ。このツールを活用して、Wellbeing指標を作成するというのは、良い発想だと思う。今までの学校評価では、経営に関する評価はできても、その経営に基づく児童・生徒のWellbeingまでは測定できなかった。大阪府でも「学校は楽しい」という項目はあっても、それ以外の指標は無かった。
私が校長や教育長なら、是非とも学芸大学と一緒に「オーダーメイドのwellbeing指標」をつくりたいものだ。これからの教育にとって重要なことは、WellbeingをめざすAgencyの育成である。大阪府立高校が定員割れを起こしている要因の一つに、「教育内容が古い」ということがある。通信制高校にいると、自ずとそれが見えてくる。定員割れを起こすと様々な生徒が入学してくる。高校サイドにはやはり「適格主義」的な発想があり、入学してきた新入生を「型にはめよう」という発想があるのだろう。そうなると、「型にはまることができない」生徒は、反発するかドロップアウトする。そういう生徒が、通信制高校に転入してくるのだ。高校にWellbeingという発想があれば、もう少し包括的に、そして柔軟に対応をすることもあるのではないか。
今、府立高校は、
定員割れ→多様な生徒の入学→多くの転退学者の発生→評判の悪化→定員割れの増化
という負のスパイラルに陥っているように思う。この負のスパイラルを抜け出すのは容易な事ではないが、「うまくいっていないのなら違うことをせよ」というブリーフセラピーの原則に照らして、何か違うことを始めなければならない。そのツールの一つが、このWellbeing指標ではないかと思う。
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