参議院選の第2弾である。今回取り上げるのは、石丸伸二氏の「再生の道」だ。再生の道の公約は、他の政党と大きく異なっている。教育一本だ。石丸氏のスピーチを聞いていると、その理由がわかる。
彼曰く、日本は急激に人口減少が起こる。2045年には、1割以上の人口1500万人が減る。企業で1割の社員が減ればどうなるか、1割の利益が減ればどうなるかと問題提起する。石丸氏は、その解決策として、国民一人一人の生産性を上げるしかないではないかと言うのだ。そのために、日本の教育の質を上げるしかないと言うのである。
通常国会で高校教育無償化法案が可決した。彼に言わせると、これは「教育を受ける側の負担を減らす政策で、いくらこのようなことをしても教育の質は向上しない」というのだ。その通りだ。そこで再生の道の政策は、
教育人材の強化
教育内容の充実
教育環境の整備
という事になる。具体的な政策についてはわからないが、彼がスピーチで取り上げた内容は以下の通りだ。
教育人材の強化に関しては、給特法の問題を指摘し、これでは不十分だと指摘する。教育内容の充実については、もっとオンライン授業を強化しても良いのではないかと言う。教育環境の整備については、「この暑い中でも学校の体育館は、3割しかエアコンが付いていない」と指摘する。1点目と3点目はまともなことを言っている。ただ、教育の質を上げるために最も重要なことは、教育内容の充実である。この点について、彼はどんな教育を実践すべきであるのか具体的には語っていない。
例えば、アクティブラーニングである。専門用語では、「主体的・対話的で深い学び」である。この教授方法が提唱されたのも、元をたどれば生産性の向上である。一人のカリスマリーダーが方向性を示し、他は頭を働かさず、言われた通りしておればよいという状況では、生産性が向上しないため、現場で一人一人がどのようにすればよいかを主体的にチームで考え、それも思慮深く考えて解決するという事が求められるのだ。
大企業の一線で働いていた石丸氏にとっては、そんなことは当たり前かもしれないが、それができていないから、日本の生産性が向上しないのだ。もっと石丸氏は、どんな教育をすべきなのかを語るべきだろう。そうすれば、もっと多くの人は耳を傾ける。再生の道の候補者には、面白い人材が集まっているのだから。
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