教師の心理ーいじめ事案


 どうしてこういうことが頻発するのだろうかと思う。札幌市のいじめ事案についての調査報告書が第三者委員会から公表された。この報告書でも、いじめの訴えが子どもからあったにも関わらず、担任はその訴えを十分に取り上げず、学校もいじめの兆候を把握しながら組織的な対応を行わなかった。組織的な対応をしていれば、「自死は防ぐことができた」と報告書は指摘している。
 このようなケースが多すぎないかと思う。何が原因なのだろう。担任の心理はこんな感じではなかったか。

いじめか・・・、大変だ。管理職に報告しなければならないけど、そうしたら会議や事実経過の報告や、いろいろな時間がかかる。しんどいな・・・。もう少し様子を見てみよう。そうしたら、いじめがましになったり、解決するかもしれない。そうだ、もう少し様子を見てみよう。あの子も自分で解決できるかもしれないし・・・いじめている生徒も自分でダメなことと気づくだろう。

だめだ、なかなか解決しない。どうしよう・・・。今頃報告したら、「なぜもっと早く報告しない!」と管理職から言われる。周りの教師からも「叱責された教師」とみられる。あーーー、もう隠し通すしかないか・・・

もうすぐ卒業だ。このいじめが私の前から消える。やっと、ほっとできる。卒業してくれてよかった・・・・。


 最初の「もう少し時間が立てば、何とかなるかもしれない」ということが間違いの入口だ。危機管理ができていないということだろう。危機管理は、管理職には必須のマネジメントだが、現場の教師にも必須である。私が校長をしていた時は、事あるごとに「アンテナを高くして、生徒の変化に気を付けて」と先生方に訴えてきた。少なくとも、管理職は危機管理を訴え続けなくてはならない。いじめは、人の命に係わる事案なのだということを現場の教師は、きちんと心のど真ん中において日々の教育を実践する必要がある。


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