12月27日の読売新聞に、昨年度に実施された教員採用試験の倍率が過去最低になったという記事が掲載されていた。文部科学省の調査によると、2023年度に実施した小学校の教員の採用倍率は、前の年度より0.1ポイント低い2.2倍、中学校は0.3ポイント減の4.0倍、高校は0.6ポイント減の4.3倍で、いずれも1979年度の調査開始以来、過去最低を更新したという。教員の不人気が止まらない。教員の採用倍率は、最低3倍を維持しなければ一定の教員の質が確保できないと言われている。この数値は、全国の平均であるので、都道府県によってかなりの差があることが想定されている。都道府県別では、東京都の1.9倍が最低で、鳥取県の8.0倍が最高である。このような低倍率では、教員の質が確保できず、不祥事を起こす教員が今後も増えるだろう。被害を被るのは、児童生徒であり、保護者(国民)なのだ。
教員の不人気が止まらないのは、やはり学校現場のブラック化によるものだ。同じく文科省調査によると、平均残業時間が月45時間以上の公立学校教諭の割合が、小学校で約25%中学校では約42%にのぼるという。「登下校時の対応を学校以外が主体となり対応している」都道府県・政令市・市町村の割合は全体で72.6%、「授業準備への支援スタッフの参画を図っている」割合は全体で80%などと取り組みが進んでいるにも関わらず、この数値なのだ。これ以上の働き方改革を進めようとしても、「乾いた雑巾を絞る」ような状況だろう。
財務省と文科省が決着した教員の待遇改善についても、現場教師のほとんどは評価していない。現場が求めているのは、一律の教職調整手当のUPではなく、人材の投入なのだ。そして、給特法の廃止による「残業手当の支給」である。なぜ、これがわからないのかと思う。国民も今の学校現場は悲鳴を挙げていることをもっと認識すべきだろう。保護者が働いている職場は残業手当が出るだろうが、学校は出ないということをもっと知るべきだ。意外にこの事実は知られていない。私もあるPTAの会合でこのことを話したら、ビックリする親が少なからずいた。
本当に政府ー財務省・文科省、そして国民は、日本の公教育の学校現場をどうするつもりなのだろう・・・。
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