やっとである。1月に寮で禁止されているカップ麺を食べたことから発生した暴行事件について、広陵高校がやっと第三者委員会を設置し、再調査を実施することになった。当たり前の対応であるのだが、あまりにも遅い。
8月28日の読売新聞の記事によると、広島県から、
「『突発的な行為でもいじめになる』との指摘があり、いじめ防止対策推進法に基づく再調査を決めた。」
という。広島県としては、このような「突発的な行為でもいじめになる」という言い方になっているが、実際のところは、強豪校にありがちな構造的ないじめ・しごきといった構造にメスを入れることが肝心だ。一応「重大事態」と認定し、調査が開始されるので、この調査が、この事案のみならず野球部の構造的な問題にまで踏み込むことを期待したい。
広島県も、管理監督官庁として、表面的な調査で終わるのではなく、野球部の体質改善にまで踏み込む指導性を発揮してほしい。この間、同校のOBを中心に、野球部の暴力事案が噴出している。『叱らない時代の指導術 主体性を伸ばすスポーツ現場の実践』(NHK出版新書)を上梓した島沢 優子氏のルポ(下記リンク)の内容が凄まじい。
携帯もお菓子も禁止…OBが「刑務所」と表現した広陵高校野球部寮の過度な禁欲生活
それにしても、である。同校の事務長のコメントを読むと、「法に基づくいじめの定義の理解が不十分だった」と述べている。その程度の認識なのか。今回のいじめ・暴行事件については、教育関係者であれば「いじめであり、本人が転校しているというなら重大事案である」という事は、誰でもわかる。広島県は、所轄する私立学校に対して、いじめ防止対策推進法について、再度研修を徹底し、広陵高校のような対応が二度と起こらないようにしなければならない。そのためにも、今回の第三者委員会の調査が重要だ!
最後に一言、なぜ校長ではなく、事務長がコメントしているの?と思う。不思議な学校だ。
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