広島県福山市の通信制高校でショッキングな事件が発生した。女子高生が、同じ通信制高校に通う3名を刺したという事件だ。事件を起こした生徒は、包丁を持参し、「殺そうと思った」と供述しているという。計画的な犯行だ。何か生徒間のトラブルがあったのだろうが、動機について学校は、「学校が把握している情報はある」としたうえで「警察が捜査中のため発表は控える」としているとのことだ。
同じ通信制高校での事件という事で、私たち通信制に勤務する関係者にも、衝撃を与えた。通信制のシステムで、生徒間のトラブルを把握するのは、なかなか難しい。事件があった高校は、オンラインか登校かを選択して授業を受けるようだ。私が勤める通信制は、比較的登校を促すシステムである。それでも、どの生徒がどの時間に登校するのかは分からない。授業に行っても「今日は何人参加しているか」は教室に行くまでわからないのだ。そういう通信制のシステムの中で、生徒同士がどのように関係しているのかを把握するのは、かなり難しい。生徒同士もそれほど関係を持つわけではない。それが通信制なのだが、今回の事件がどんなトラブルだったのか、とても気になる。
ところで、なぜ「殺そうと思った」のだろうか。何か気に要らないことがあったのだろうと思うが、それが「人の命を奪う」という重大な犯罪を起こすほどの事なのだろうか。なぜ、これほど短絡的に「殺す」という事に結び付いてしまうのか、不思議でならない。同僚に「ゲームの影響ってあるんじゃないの?」というと、eスポーツ部の顧問の先生が「確実にあると思います」と即答した。やはり、デジタル上では、人が死んだり、倒れたりすることも簡単にできるし、「殺す」ことも簡単にできる。思考方法が短絡的になるになるのだろう。
通信制のシステムで、他人の気持ちを慮るという事をどのように教育すればよいのかと思う。とにかく、他人との関わりを持ちたくない生徒が多い中で、人とのトラブルをどのように解決すればよいのかを学習するのは難しい。
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