読売新聞の教育蘭で、家庭科のシリーズが連載されていた。なかなか面白い。家庭科は、教科の範疇が広くかつオーセンティックである。実際の生徒の家庭生活も対象になるし、日々食べている食事も対象になる。そういう意味で言うと、とても探究しやすい教科ではないかと思うのだ。校長していた時から授業見学で家庭科の授業を見学することを楽しみにしていた。教科書を教えている先生もいたが、教科書を使い、実際の生活や社会の話題を題材に授業をしている先生もいた。このような授業は、生徒の授業への食いつきも違う。
保健の授業もそうだ。保健も体の健康から心の健康、そして環境問題まで取り上げる科目だ。ある高校で校長をしていた時、保健の授業を見学すると、生徒が決められた範囲を自分で調べ、授業でプレゼンすることが行われていた。なかなか面白い授業である。しかし、やはり生徒が調べることには限界がある。教科書に書いてあること、生徒が調べたこと、それ以上に教師がオーセンティックな話題を生徒に投げかけることが必要だ。
例えば、環境問題の中で、ごみ処理の問題があった。ある先生の授業は、教科書に書いてある分別の必要性を話していたが、どうもしっくりこないので、次のようにアドバイスした。ごみの分別は、自治体ごとでやり方が異なっている。まずは、自治体ごとのごみの分別を調べること、そして、そのごみがどのように処理されているのか、ごみ処理について自治体がどんな課題や問題を抱えているのかを生徒に調べさせたり、先生も調べてはどうかと。アドバイスされた側の保健の先生は怪訝な顔をしていたが、家庭科や保健という教科・科目は、現実の生活や社会の活動をテーマにするために、探究学習が日常の授業の中で取り入れられやすい。今は、どんな授業をしているのだろうかと思ってしまう。探究学習で、家庭科や保健が話題に上ることが少ないので、もっと取り上げても良いのではないだろうか。
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