学校関係者評価について


 学校関係者評価、大阪府では「学校教育自己診断」と呼ばれる調査ですが、この調査の目的は、「学校をドックに入れて総点検する」ということです。よって、その項目は学校の教育活動のほぼすべてを網羅することになります。大体多くの学校の項目を分類すると、次のような項目になります。
①総論 ②学習活動 ③進路指導 ④生徒指導 ⑤生徒会・行事関係 ⑥教育相談関係 ⑦保健指導関係 ⑧人権教育 ⑨PTA活動 ⑩地域活動
でしょうか。これらの項目に学校が力点を置いている項目が追加されるということが多くあります。これらの項目でそれぞれのポイントを述べていきたいと思います。
 まずは、①総論。この項目の中によく採用されている設問に「あなたは、学校生活に満足していますか?」という設問があります。つまり、生徒(保護者)の満足度を調査しているものです。その学校が、どれだけ学校としての機能を果たしているかをみる一つに指標です。意外に、学校によってこの満足度に差が出ます。その学校の機能度がわかる設問です。校長としては、まずは注目したい設問の一つです。ただ、私はこの設問だけでは学校がどこまでその機能を果たしているかは、十分でないと考えてきました。私が赴任した学校では、必ず「あなたは、この学校での生活でどこまで人として成長しましたか?」という設問を追加しました。そもそも、学校というのは「子どもを大人に成長させる」社会的機関です。目的は、未熟な若者を社会に通用する大人に成長させることです。よって、学校の機能が十分に果たせているかどうかをチェックするためには、この項目が必要と考えてきました。この項目を調査すると、意外にも「満足度は高くても、成長度が低い」というようなケースも出てくるのです。そうすると、学校の機能は、「どこか、おかしいのではないか?」ということになります。逆に「満足度は、それほど高くないが、成長度は高い」ということもあります。この場合、校長としてはあまり問題視しなくてもよいでしょう。なぜなら、生徒を成長させるために、学校は「一歩先の課題」を提示して、生徒を鍛えていると想定されるからです。まあ、あまりにも課題が高くかつ大きすぎる場合は、「成長度も低い」ですから、成長度が高いということは、あまり心配しなくてよいのではないかと思います。
 もう一つ私が重要な設問だと考えたのは、「社会に役立つ有意義な人材を育成しょうとしている」という設問です。これは、その学校がどのような社会的ミッションを有しているかということにもよりますが、学校の社会的ミッションをどれだけ果たしているかを測る設問で、これも学校の機能の有効性を測る設問として重要だと思います。学校によっては、「社会に迷惑をかけない」とか「世界に通用する」とか「社会のリーダーを育てる」とか文言が変わってくると思います。
 この総論の項目も、80%を超えると大体合格ラインかと思いますが、60%~80%だと要注意だし、60%を切ると危険信号ではないかと私の経験上考えています。さて、今回は、ここまでにして、次回は、総論から各論に移っていきたいと思います。


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