子離れできない父親


 びっくりするような父親である。12月11日の読売新聞「人生案内」に「長男が進学で離れたら寂しい」というタイトルで相談が掲載されていた。なんと、自営業50代の埼玉県の男性である。大学4年生の長男が教育関連の勉強をするために、他県にある大学院に進学し、自宅を離れるというのだが、それが寂しいというのである。

 母娘の母子一体の友達親子というのは、今や世の中の常になりつつあるが、父息子の友達親子が現れたかとびっくりする思いである。この父親は、何を考えて子育てしてきたのだろう。子育てとは、社会に通用する大人を育てることだというのが分っていないのだろうか。父親が子離れできないとは情けない。親は社会を映す鏡でなければならない。親の背中に「社会」を子どもたちは感じるのだ、それにも関わらず、こんな父親が現れるとは!それも恥ずかしげもなく、新聞に相談を寄せるとはどういう神経だろうか。息子が家を出ていくのが寂しいと思うのではなく、「早く家を出て、他人の飯を食え!」というのが親の務めである。

 昔、江戸時代では自分の息子の修行のために、商家では他家に子どもを出したものである。そうやって子どもを一人前に育てたのだ。そんなことを思うと、令和の時代、如何に親が軟弱になってしまったことか。

 相談を受けた大学教授の山田氏も、次のように回答を寄せている。
「むしろ、心配なのは子離れできないあなたの方です。息子さんは、これから、研究仲間、友人や恋人など新たな人間関係を作っていく大事な時間です。あなたが『仲が良い父親がいるから他はいらない』と考えるようになったら、彼の成長の妨げになってしまうでしょう」
と的確に指摘・批判している。

 これからこんな父親がどんどん増えてくるのだろうか?世の中の父親様、どう思いますか?この埼玉県50代の男性の相談内容を・・・。共感しますか、それとも驚愕しますか?


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP