2026.3.3に公開されたキャリアリサーチLabの「教員の働き方改革、これまでとこれから―教育研究家 妹尾昌俊氏」の中で、教員の働き方改革について、妹尾氏が貴重な提言をしている。前半部分については、これまでの10年の学校現場の働き方改革が概括されており、とても参考になる。詳しくは、以下のURLを参考にしてほしい。
https://career-research.mynavi.jp/column/20260303_107279/?fbclid=IwY2xjawQYXppleHRuA2FlbQIxMQBicmlkETFHdGg5TkFleENUV2VHSkpoc3J0YwZhcHBfaWQQMjIyMDM5MTc4ODIwMDg5MgABHi-bOxbDu8hCIytFQQzTPvCTxZUkHawp_4Eh6RSqoYLLY6Cg227NX9WRJTGM_aem_hggaabRmi80DOn4IbnRRCg
妹尾氏は、最後に今後の教員の働き方改革に関して3点あげている。
一点目は、残業の見える化を徹底すること
二点目は、時短一辺倒からの脱却
三点目は、内発的な改善を促すこと
である。一点目については、説明は不要だと思うが、残りの二つについては、これだけでは、妹尾氏は何が言いたいのかわからない。まずは「時短一辺倒からの脱却」だが、
妹尾氏は、次のよう述べている。
「精神疾患によって休職する教員は増え続けているという実態があります。時短だけを追い求めても、教員は必ずしもハッピーになるわけではないということをデータが示唆していますので、時短に向けた取り組みを進めるとともに、教員のウェルビーイングやワークエンゲージメントをモニタリングし、高めていく施策を考えていく必要があります。」
なるほどである。教員のウェルビーイングがなにかというのは、とても斬新かつ重要な視点である。三点目の「内発的な改善」については、氏は次のように述べている。
「教員ならびに教員以外のスタッフが主体的に業務改善やしくみづくりなどのアイデアを出しあい、職場改善活動を進めていくことが効果的です。もちろん教育委員会や校長によるトップダウンが必要になる場合もありますが、それだけでは教職員の“やらされ感”が募ってしまい、結果的に推進力が弱くなりますから、教職員の参画意識を高めるためにも、ボトムアップによる取り組みをもっと推進する必要があります。」
確かに、自らが進んで業務改善を行うことは、主体的に行動することにつながり、トップダウンで言われることの「やらされ感」は生まれてこない。この点からも重要な示唆である。
しかし、私はこれで良いのかと思ってしまうのだ。最近のニュースでも教員不足が悪化しているという報道があった。大学を出た若者が教職を希望しなくなっているため、今まで非正規雇用で教職を続けてきた人たちが採用され、それに続く若い人材が枯渇している状態である。妹尾氏も指摘しているように、大学生に教職を志望してもらおうと思えば、「不安低減」が重要である。確かに、不安が大きいような職場には、誰も希望しないだろう。その「不安低減」のために、妹尾氏は「チームワーキングの拡充」だというのである。確かにそうなのだろうが、教員不足で難儀している学校現場で、「4人の教員がチームとして3クラスを担任する」という事はできるのだろうか。
私は、著名な教育評論家である妹尾氏には、もっとアピールしてほしいことがある。それは、教育に予算をつぎ込むという事だ。
★教員定数の改善
★乗ずる数の改善
★SC、SSW、SLなどのスタッフの拡充
★校務支援員の増加
など、学校現場が行ってほしいにもかかわらず、予算が無い、乏しいために実現できないことが山ほどある。2026年度から漸次教職調整額が上がっていくが、給料面の改善で教員不足が解消するとは到底考えられない。
今の若者たちは、自らの「ワークライフバランス」を大切にする。昭和の時代の「モーレツ社員」などは、化石的存在なのだ。それにもかかわらず、「モーレツ社員」を求めなければならない現状なのが、学校である。これでは、若者がいくら教職に憧れようとも、そして教職に就いたとしても、持続可能性が担保されるはずがないのだ。
だから、妹尾氏には、もっと政府・文科省に対して教育予算を拡充するように訴えてほしいのだ。

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