妹尾氏の「4月から学校の先生になった方へ」に加えて

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教育評論家の妹尾氏が、4月から小中学校で働く新任の先生に向けてメッセージを発せられた。氏のメッセージのポイントは、
1)根拠の薄い(ロジカルでない)コメントは気にしなくていい。
2)新人に無茶ぶりで、即戦力重視過ぎるのは、教育界の大問題。
3)休むのも仕事のうち。子どもや職場に全振りしなくていい。

である。(下記URL参照)全く賛成である。特に2)については、大いに賛成だ。以前から全くの新任にいきなり担任を持たせる小中公立学校というのは、おかしい。高校では最低1年は副担任として学ぶ期間があるのだ。(最近では、難しくなっていると聞くが)学校というものについて、右も左もわかっていない新任に、担任としての責任を持てと言われたら、私ならお断りする。「責任が持てません」と責任をもって管理職に言う。幸いなことに、私は高校教師として教員人生をスタートできたので、そして初任で勤めた学校に素晴らしい先輩や暖かい同僚がいたので、失敗をしながらも教員生活を無事にスタートすることができた。

 妹尾氏の寄稿された文の中にこんな内容がある。

保護者が担任に「子育て経験のない先生に、分かるんですか?」と詰め寄る。これも、ホンマでっか?
ちょっと独りよがりな理屈ではないでしょうか。たしかに子育てを経験したほうが、より実感できることや、配慮しやすいこともあろうかと思います。しかし、経験があるといっても、せいぜい我が子、1人か数人のことだし、その経験がいまの多様化、複雑化している小学校等の35人学級の子どもたちに、どこまで活用できるかは、未知数。

確かにその通りだ。しかし、確実にこんな言葉を発する(そして、発しなくても心の中に思っている)保護者がいる。クレーマー的な保護者ほど、若い教師に対してマウントを取るために、このような心無い言葉を投げかけてくるのだ。
 私が管理職をしている時、若い先生が初めて担任を持って保護者と接するときに、いつか保護者に伝えたらよい言葉として、次のようなことを伝えた。

「保護者の方は、〇〇さんを生まれたときからずっと育ててこられて、〇〇さんのスペシャリストですよね。私にはわからないところがあると思いますので、いろいろと教えてください。私は、〇〇さんと同年代の子どもを何十人、何百人と観ています。ですから、同世代の子どもたちの姿がよくわかります。保護者の方が持っておられる子育ての縦の糸と、私が持っている同世代の子どもたちの横の糸を合わせながら、一緒に〇〇さんの成長を見ていきましょう」

このように言うと、保護者と教員、どちらが上という事もなく、そして対立することもなく、協調して子どもの成長に当たるというメッセージが伝わると思うのだが、どうだろうか?

そして、もう一つ。
3)休むのも仕事のうち。子どもや職場に全振りしなくていい。
というのも大賛成だ。若い先生は、志も高く現場に来る。良い授業をしたい、子どもに寄り添いたいと強い気持ちでいる。強い気持ちを持つことは良いことだが、だからと言って、日々100%以上の力を出して仕事をすることとは別だ。私は、1学期が終わろうとする段階で、新任の先生にこんな声かけをしていた。

「先生、今何%で仕事している?100%で仕事をしていたら、気持ちも体も続かないよ。日頃は、自分の力の70%ぐらいの力で仕事をする方が良いよ。何か問題が起こったときには、90%の力が出せるように余力を残した方が良い。今、100%で仕事をしていたら、問題が起こったら、120%以上の力を出さないといけない。それをやってしまうと潰れるからね。ある意味、どこかで妥協して仕事をした方が良い。完璧は求めなくていいからね」

と。校長にこういう風に言ってもらえると、新任の教員は、何か安心を与えられたと思うのだろう。有給休暇もとるようになるし、早く帰宅するようにもなる。心に余裕が生まれるのだろう。

さて、世の中の新任の先生、来週から色々なことが始まります。肩に力を入れすぎず、心に余裕をもって臨みましょう!教師人生は始まったばかり。最初から完璧な人なんていません。開き直りも大切ですよ!

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/272fc5440c7ff02b257d13d577849a38e7cfcc07?fbclid=IwY2xjawJdiaNleHRuA2FlbQIxMQABHkiCcjPmj2hHYnz8fNjfBgTzWDf86UEu8PtgvUe8saERRovd1qy7GbKQu-59_aem_hItq6pp5COlimb0pnQJi7A


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