外交最前線


 5月25日に放映された「正義のミカタ」で東海大学の山田吉彦教授が、4月に実施した尖閣諸島を調査したレポートが報告された。この番組は、関西地区で放送されているため、他の地域の方は見ることができないと思う。山田教授は、石垣市と連携し調査を実施しており、今回は3回目である。調査には、自民党国会議員4名、日本維新会国会議員1名も同行され、この中には稲田朋美元防衛大臣も含まれていた。この内容をブログに書こうと思ったのは、日本と中国のせめぎあいの最前線がリアルにわかること、そして日本の弱腰外交が如実に表れていることからである。

 レポートでは、海上保安庁の警備艇と中国の警備艇とのやり取りがリアルに報道された。出演者も顔色が変わるほどの緊張したやり取りである。正確には伝えられないがこんな感じだ。
日本:貴船は、日本の領海に侵入している。直ちに領海の外に出なさい。(この後、中国語で同様の事が流れる)
中国:承服できない。ここは中国の領海である。貴船こそ直ちに領海外に出なさい。
日本:承服できない。ここは日本の領海である。

という感じだ。これが、中国とのせめぎあいの最前線である。鳥肌がたった。山田教授も、中国船が行く手を阻みかなり緊張感が走ったが、別の警備艇が間に入ってくれて事なきを得たと話していた。

 てっきり調査団は魚釣島に上陸できるものと思っていたが、「上陸許可がおりない」と山田教授が言うと、スタジオ内も「えーーー!」という声。教授は、仕方ないのでドローンを飛ばし魚釣島の様子を上空から撮影した。その様子を見ると、
★海岸には、大量の中国からのごみ。風に吹かれて内陸部分にもごみが散乱
★当初2頭のヤギが繁殖し、島の植物を食い荒らしている。そのため島の緑が激減
★そのために島の土壌の保水力が落ちて、9本あった川がいまは2本に減る

という惨状だ。ここで、高橋洋一氏が、
「日本の領土・領海と言っているだけではダメで、実効支配できているかどうかが大事。環境調査のために、調査員が常駐するなどの措置をとるべきだろう」
と提言。まさにその通りだと思う。

 それにしても「上陸許可」が下りないとは知らなかった。尖閣諸島は、国有化されてから国の上陸許可が下りていないらしい。この島は、石垣市の土地になるので、固定資産税の調査をしなければならないのだが、その許可も下りていないということだ。中国を刺激したくない日本の弱腰姿勢が、こんな形で表れているのだと、改めて考えされられた。

 この調査は、石垣市が主体で行っており、石垣市へのふるさと納税で賄われている。出演者の方たちは、「石垣にふるさと納税しよう!」と言っていた。調べてみると、確かにふるさと納税の使い道に尖閣諸島の調査がリストに上がっている。返納品は、尖閣周辺でとれる高級魚らしい。

石垣市ふるさと納税

 この番組、様々な問題に鋭く専門家が切り込んでおり、東京から放送される内容とはだいぶ違う。「正義のミカタ」は、全国放送にならないだろうか。


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