変わる部活動~ビジネス

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 面白い取り組みだ。12月27日の読売新聞に「変わる部活動~ビジネス ユニホームに有料広告」という連載記事が載った。読んでみると、大阪府立長尾高校のサッカー部の顧問の先生が、近隣の中学生、高校生が集う「ナガオサッカースクール」の運営にボランティアで関わり、会費を無料にするために地域の企業団体にスポンサー依頼をしたという内容である。サッカー部の顧問は尾島先生。部活動の民間移行で有料化されることに疑問をもち、「なんとかならないか」と思いついたのが、スポンサーだ。ロゴ入りユニホームは中高生の大会では着用を禁止されており、練習でしか着ることができない。だが、スポンサーは、1年目の17社から今は32社に増えているという。

 練習も長尾高校のグラウンドを使用しているという。府に申請すれば、地域開放として無償で利用できる。ユニークなことを始めたなと感心した。その一方で、「大丈夫か?」と思うこともある。というのも、私立高校ならいざ知らず、府立高校では転勤というものがある。新任で4年~6年、2校目以降になると、大体7年前後を目途に転勤対象となる。一応、希望は提出できる。しかし、転勤希望は無くても転勤対象となり、本人が希望しなくても転勤となる場合がある。この尾島先生も、このままずっと長尾高校に勤務できるとは限らない。近隣の学校に転勤できれば良いがそうでない場合も起こりうるのが大阪府の制度だ。この「ナガオサッカースクール」、持続可能性の問題はどのように解決するのだろうか。もし、運よく尾島先生の代わりに転勤してきた先生が、サッカーが専門でこのスクールを引き継いでくれるのならよいが、大阪府の人事というのはそこまで配慮しない。ましてや、民間移行する部活動について、大阪府教育庁はどこまで視野に入れているだろう。

面白い取り組みだけに、持続可能性がどうなるのか、今後も注目したい。読売新聞もこの点に焦点を当てた記事を連載してほしいと思う。


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