塩野さんについて言い忘れたこと


 塩野七生さんについて言い忘れことがあった。それは彼女のセンスの良さである。例えば、ファッションについてとか、男の評価についてとか・・・。「日本人へ」という新書の中で、イタリア男とイギリス男のファッションセンスを比較したエッセーがある。読んでいて、何とウィットに富んだハイセンスな方かと思った。今回の記事でも、こんなことを塩野さんは言っている。女性を取り巻く環境についてである。

「(各種の委員を)『女子枠』と言って割り振ることがあるでしょう。あれは地位にすぎない。私たちが大いに軽蔑してきたのは、地位を持ってそれが目的になった男だった。女はそれを繰り返すのか。女子枠は地位を持つ手段にすぎない。問題は何をやるかです」

誠に厳しい意見であるが、的を得ている。まずは、「女子枠を設けて・・・」という意見の方には反論もあるだろうが、歴史の中で地位に固執する男どもを何人も見てきた塩野さんならではの視点だ。また、現代女性の生き方について、こうも語っている。

「男はすでに、男の世界がある。同じ仕事をすれば永久に後を追うことになってしまう。別の方向から行けばいいじゃない。『ガラスの天井』と言いますね。私なら『ガラスの天井なんてサンルーフみたいで暖かくていいじゃない』って、横からでていくかな」

なんと柔軟な、それでいて女性の生き方に示唆を与えてくれる言葉だろうと思う。男には男の世界があるように、女性には女性にしかできない世界がある、だからそれをめざせばいいというのである。最後に杖について。塩野さんにかかってしまえば、杖もファッションなのだ。

「杖はステッキ、アクセサリーとおもえばいいのよ」

なんと素敵な女性だろうと思う。

昨日、今日と新聞を読んでいると教育に関する記事が立て続けに掲載されていた。明日以降、その記事についてコメントしていきたい。


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