今回は、教員のストレスの第1回目である。データでは、
「多大な授業準備があること」
「授業の数が多すぎること」
「採点業務が多すぎること」
「事務的な業務が多すぎること(例:書類の記入)」
「保護者の懸念に対処すること」
について、「かなり感じる」又は「非常によく感じる」と回答した教員の割合を示している。それが次のグラフである。

このグラフから日本-OECD平均を計算したのが次のグラフだ。明らかに、日本の教員は、「事務的な業務が多すぎること(例:書類の記入)」と「保護者の懸念に対処すること」にストレスを感じている。因みに、事務作業と保護者対応にかかる時間について、日本とOECD平均を比較した表は次の通りである。
日本小学校 | OECD小学校 | 日本中学校 | OECD中学校 | |
事務業務 | 4.3h | 2.6h | 4.9h | 2.8h |
保護者対応 | 1.3h | 2.0h | 1.3h | 1.6h |
確かに、事務作業は、OECD平均よりも多い。これがストレス要因になるのも頷ける。ただ、保護者対応については、明らかに日本の方が少ない。それにもかかわらず、日本とOECD平均の差は、かなり大きい。

ここから言えることは、二つ。
日本の保護者対応の内容が厳しくなっている。つまり、モンスターペアレンツ的な苦情への対応が増えているという事。もう一つは、日本の教員は、保護者対応のストレス耐性が弱いという事だ。
あと一つ考えられるのは、OECD各国の保護者対応窓口がどうなっているかという点だが、この点について、私は情報を持ちえないので、どなたかご存じであれば教えてほしい。今後の保護者対応の参考になるだろう。
ところで、次のグラフをご覧いただきたい。このグラフは、2018年の国際教員指導環境調査と2024年の調査の増減である。全ての項目について、日本の教員のストレスが増加している。さらに、その増加率についてもかなり高く、小学校で平均8.94ポイント、中学校では10.86ポイントの上昇となっているのだ。
なぜ、これほど急激に上昇したか。
第一に、昨今の学校のブラック化の話題に触れることで、今まで仕方ないと思ってきたことが、実は学校の「非常識」な状態で、学校外では有り得ない労働環境であることが、教員に意識化され始めたこと。
第二に、実際の労働環境が悪化していること。その要因は、教員不足やカリキュラムオーバーロードなど様々な問題に起因すること
が考えられる。

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