国連は、もうどうしようもないのか?!

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 国連総会が開かれ、ウクライナのゼレンスキー大統領が対面で出席し、国連総会及び安全保障理事会でスピーチをした。このことにより、連日日本でも国連総会がニュースに取り上げられている。しかし、どう考えても虚しさだけしか残らない。今の国連、特に安保理が機能不全に陥っているのは、誰の眼にも明らかである。改革しなければならないのは、すべての国の代表者がわかっている。ただし、拒否権を持つ常任理事国以外の国だが。
 今回ゼレンスキー大統領が提案した拒否権の抑制策は、理に適っている。つまり、拒否権を発動しても、国連加盟の193ケ国が反対すれば、拒否権は覆されるというのである。核を保有する大国の横暴を許さないという点で、非常に有効な改革案であると思った。しかしながら、これさえも拒否権の行使で、現実味を帯びてこないのである。拒否権がある限り、1ミリも国連は動かない。そして、世界で紛争が起こり、飢饉が起こり、貧困が広がり、事態はどんどん深刻化するのである。もう、今の国際連合は、どうしようもないのではないか。

 岸田総理が「核軍縮に30億円の拠出」を表明したことが、日本ではゼレンスキー大統領に次いで報道されるが、実際国連総会で岸田総理の演説を聞いた各国の首脳は、極めて少ない。なぜか?リアリズムに欠けるからである。今、世界で直面しているのは、核を使用させないという局面であるにも関わらず、核軍縮を訴えたからだ。日本はアメリカの核の傘の下にいるは、自明の理だ。そんな日本が核軍縮を訴えても、リアリズムに欠けるだろう。ヒロシマ・ナガサキの被爆者が世界に訴えるならまだしも、一国の首脳が世界情勢を踏まえて訴えることではない。頭の中は、「お花畑?」と思ってしまう。

 さて、国連改革である。結論から言えば、今の国連の中で改革は不可能だ。拒否権があるために、5大国が自国に不利益になると判断すれば、必ず拒否権を発動する。それならば、もう今の国連を見限って、別組織を作るしかないのではないかと思ってしまう。これも夢想の話だが、少しでも可能性があるとすれば、核兵器禁止条約を批准した国々を中心に、新たな国際組織を産み出すことができないかと思う。核を持つ国と核を持たない国、世界は核を持つ国によって支配されている。しかし、日本をはじめ核を持たない国が団結し、その力を世界に示すことで真の核軍縮が機能していくのではないだろうか。今の国連に核保有国だけが残って国連総会が開催される、安保理が開催される姿を想像すると、何かパロディを見ているような滑稽さがある。米国、ロシア、フランス、英国、中国、インド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮、世界の核保有国はわずか9か国なのだから。


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