図書館の充実は、探求学習推進では必須!

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 昨日6月6日から読売新聞の教育ルネッサンスシリーズで学校図書館がテーマに取り上げられた。1回目は、図書に振り分けらえる自治体の予算が、あまりにも少ないという実態が明らかになったという内容であった。あまりにも少ないことが明らかになったので、市民が市に予算拡充を要望するという自治体もあったことが紹介されていた。
 本日6月7日は、カネの問題の次にヒトの問題が取り上げられていた。すなわち図書館司書の問題である。今、図書館司書が常駐で配置されている公立学校はどれだけあるのだろう。私の経験では、新任で赴任した学校には図書館司書が配置されていたが、いつのまにか府立高校では専従の図書館司書がいなくなった。ところが、法律では配置が義務つけられているので、大阪府教育委員会は司書の免許を所有している教員に司書を任命して、わずかばかりの授業時間の減を措置している。校長をしていた経験から言えば、「そんなわずかばかりの授業減で、図書館が充実すると思っているのか!」と言いたいほどの貧弱な行政措置であった。図書館はお昼休みを開館していることが多いが、利用時間が多い放課後については開館がなかなか難しい。会議、部活動の付き添いなど、なかなか専従でなければ図書館の運営を行うのは難しい。また、他の担任や分掌の仕事を持ちながら、図書館を充実させるのは、ハードな仕事である。
 記事にも記載されていた通り、これから伸ばさなければならない「思考力・判断力・表現力」「学びに向かう姿勢」「知識・技能」の学力の3要素では、特に図書館の役割が大きくなる。ネット情報しか見ない10代の若者にとっては目にする情報は偏りがちになるが、いったん図書館に足を踏み入れると、そこは「知の宝庫」であり、様々なジャンルの情報がある。本の背表紙を見るだけで、「オッ!」と興味をそそられる。探求学習を重視する国際バカロレアが、図書館の充実に力を注ぐのも頷ける。
 ところで、私が前に在籍した国立大学法人兵庫教育大学附属中学校も専従の図書館司書は配置されなかった。「国立大学系も同じか・・・」と思った。昔、神奈川県横浜市の桐蔭学園中高学校を訪問した時、たまたま図書館を訪れる機会があった。まず、専従の司書が配置されていることに驚いた。ところが、図書館は一つだけではなかったのだ。他にも設置されていたし、司書も配置されていると聞いた。驚きの連続である。これほど、国公立と私立では教育環境が変わるのか・・・これでは国公立は子ども・保護者から選ばれないだろう・・・と内心思ったことを、今吐露する。


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