7月16日読売新聞のトップは、「自公過半数厳しく」である。どうも今回の参議院選は、まさに政権選択になりそうだ。私は、NHKの世論調査を追跡調査している。NHKのデータには、世代別政党支持率が示されているので、なかなか興味深い。次に示すデータは、7.14発表の与党vs野党の支持率である。

明らかに、現役世代は野党支持、高齢者は与党支持となっている。物価高、将来の社会保障への不安が現役世代を減税・積極財政に向かわせていると思われる。投票率は、若者よりも高齢者の方が高い。この支持率がそのまま選挙結果に結びつくとは言えないが、今回の選挙は関心が高く、投票率も上がるのではないかと思われる。
次に示すのが、自民党の年代別支持率の推移だ。ほとんどの世代で支持率が下落傾向にある。高齢者世代でも支持率が落ちていることを考えると、かなり厳しい選挙戦になっていることが伺い知れる。「1人区」でも苦境というのは、こういうところに現れているのだろう。

一方、注目を浴びているのは、参政党だ。それを示すのが、次のグラフである。全ての世代で支持を伸ばしている。何がこの要因になっているのだろう。色々な識者が意見を述べているが、詳しい分析は、もう少し待たなければならない。

私見を述べれば、次のようになる。参政党というのは、読んで字のごとく、「政治に参加しよう」と呼び掛けている党で、党の方針としては、「〇〇をめざそう」と言っているわけではない。参政党に参加した人たちにより、その党の方針が創り上げられた党である。びっくりしたのは、各都道府県に支部が結成されていることだ。だから、国会議員中心の足腰の弱い党ではない。これがれいわ新選組との違いだろう。れいわ新選組は、やはり山本太郎という顔で持っているところがある。彼の話を聴いていると、同じく消費税の廃止もそうだし、積極財政もそうだ。参政党とほぼ同じような主張をしている。この現象は、欧州でも左右のポピュリズム政党の主張が似通うというところと共通した現象である(れいわ新選組の共同代表である大石氏の礼儀の悪さは悪影響を与えている部分もあるが)。
話を参政党に戻そう。彼らが掲げる「日本人ファースト」というのは、何も新しい理念ではない。どの政党も外国のために政治をやっているわけではなく、日本国と日本国民のために政治を行っているのだ。彼らの主張するのは、減税・積極財政であるし、外国人問題については、行き過ぎた親中・媚中の自民党政策に対する警鐘である。外国人を排除しようと言っているのではなく、制限を加えようと言っている。「参政党=外国人排斥」というイメージが定着しているが、実は「排外主義」というところまではいっていない。
それにもかかわらず、参政党が支持を伸ばすところに、私はある種の不安を感じている。彼ら参政党の主張を支持する国民の中に、排外主義的な匂いを感じるからだ。ふわっとした不安、ふわっとした不満が彼らを参政党に走らせるのではないかと思っている。この現象は、第一次世界大戦後のドイツでも見られた現象である。この「ふわっとした不安」がナチズムの支持基盤となっていった。彼ら参政党が議席を伸ばすのは確実だろう。そのことにより、彼らがどのように政治の世界で振舞うのか。責任ある立場に立った時に、その時こそ、参政党の真価が問われることになる。
最後に、とにかく選挙に行きましょう。この面白い選挙に参加しない手はない。特に現役世代の人は、選挙に行きましょう
コメントを残す