労働基準法に反する時間外労働(残業)をさせられたとして、元高松市立中教諭の男性が香川県に損害賠償を求めた訴訟の判決で、高松地裁が3月、計5万円の支払いを命じていた。
校長は勤務時間が大幅に増えると認識しながら別日への割り振りを怠ったほか、生徒の合宿に同行した教諭に休憩時間を与えなかったと認定。労基法に基づく義務を果たさなかった結果、肉体的・精神的苦痛を与えたとした。
県側は、教員は命じられた業務と自主的な業務が混然一体となっており、校長が労働時間を的確に把握するのは不可能だと主張したが、田中一隆裁判長は、校長の指揮命令に従って業務に従事する合宿の引率などは時間の管理が容易で、賠償責任を限定的に捉える必要はないとして退けた。当然だろう。合宿を伴う行事で時間の割り振りを行うことは、管理職として当然の業務であり、私も教頭時代から修学旅行などの割り振りを行ってきた。こんな基本的なことで、県側が訴訟で争うことが信じがたい。県は、割り振り業務を適正に行っていない校長を指導する立場ではないか。
ちょっと良い意味でびっくりである。公立学校の教諭が、労基法に基づいた賠償請求で勝利したのだ。専門家によると初めてではないかという。これは、画期的だ。だが、おそらく県は、控訴するだろう。高裁がどのように判断するかだ。もし労基法に基づく判決が確定するとすれば、それこそ画期的であると言えるだろう。
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