何が「調和」か!


 大阪府学校教育審議会が、25日開催され、入試日程について答申された。現在の3月10日前後の入試を数週間程度早めることが望ましいと答申した。これに対して、強く反発したのが、大阪府の私立高校である。昨日のFNN系列のニュースライナーで報道されていた。大阪私立中学校高等学校連合会・草島葉子会長は次のように主張していた。
「競争原理は働いていいと思うんです。ただ、短絡的な取り合いをしてはいけないというのが、私が申し上げたいところです」
「公立だけを考えた一方的な入試改革が発信されたように報道を見て誤解してしまいました。私が申し上げたいのは、対立ではなく、調和した関係づくり、これが私たちに求められていること」
「教育庁だけで決定しないでほしい」

 草島会長が言いたのは、公立高校の入試が、私立高校の入試と近くなると、私立高校の受験生が減るので、公立高校だけで勝手なことはするなということだ。この発言を聞いてまず最初に思ったことは、この人は、本当に私学の事しか考えていない(まあ、会長だから当たり前か・・・)、公立高校の半数が定員割れをしている事態を何とも思っていないということだ。公立高校の半数が、定員割れをしているのは、公立高校側からすれば、危機的状況である。これを何とかしようというのが、今回の入試改革の目玉でもある。高校授業料無償化により、私立高校と公立高校の金銭的格差が解消したことで、入試日程が早い私立高校に受験生が流れるのは、当然の事だろう。生徒の獲得競争は、すでに始まっているのだ。会長の言う「短絡的な取り合いはダメ」というなら、「短絡的でない生徒の獲得競争」とは何なのか。「対立ではなく、調和した関係」とは、昔のように公立と私立と受け入れ枠を設定することなのか。これは、橋下府政のときに、カルテルになると指摘され、廃止されたのではないか。
 大阪府の教育方針の一丁目一番地は、「公私における切磋琢磨」だ。公私で魅力的な教育を実践する競争を行い、互いに成長しようというものである。教育の中身で勝負するなら、受験生がどの高校を選択するかという条件は、平等でなければならない。就学支援金で、金銭的に平等になった今は、受験機会の平等が必要だ。本来なら、公立も私立も同時日程の入試をすべきだ。ちょっと、入試日程を変更するからといって、じたばたするほど自分の学校の教育に自信がないのかと言いたい!

生徒の取り合い!上等じゃないか!ケンカ上等!公平公正に公立と私立で生徒の取り合いをやろうじゃないか!と思うが、大阪府教育庁にここまで根性があるとは思えない。


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