3月5日に文科省は、令和7年度の5月1日時点での公立学校の教員不足の実態調査結果を発表した。その結果、全国の公立学校で生じている「教員不足」は全体で3827人に上り、前回調査した2021年度に比べて1.85倍に増えていることが分かった。
その特徴は、
★教員不足が生じている学校数は2589校で、学校数全体の8.1%
★調査対象の68自治体のうち8自治体では教員不足が生じていない一方、43自治体は前回より悪化
という内容である。そこで、文科省のデータを基にどれくらい地域差があるのかを調べてみた。まずは、小学校の教員の不足率を令和7年度‐令和4年度で計算し、降べき順に並べたのが次のグラフである。

かなり自治体によって差があることがわかる。因みに、中学校の増加率は、以下の通りである。

これをみると、青森県・福島県・石川県・島根県等は小中学校とも教員不足が著しく増加している。その反面、長崎県は、小中学校とも大幅に教員不足を減らしているのだ。また、首都圏でも東京都は、令和4年・令和7年共に、教員不足数は「0」であるが、隣の神奈川県は、小中共に0.5%程度の不足を続けている。明らかに「選ばれる自治体」「選ばれない自治体」という差が生じているように思われる。隣接する自治体によって明暗が分かれているのだ。この差は、一体どこから生じているのだろうか。私は、「教員の働き方改革」の進捗状況の差が影響しているのではないかと想像するが、あくまでも仮説にすぎない。文科省は、教員不足を減少させている好事例の分析を行うべきだろう。
ただ、ここで声を大にして言っておかなければならないのは、このデータは学校基本調査が行われる5月1日の時点のデータであるという事だ。年度当初は、比較的人員配置を行うために、教育委員会も学校も努力を重ねる。教員不足が深刻になるのは、夏期休業以降だと言われているのだ。せっかく配置した教員も健康状態を崩し、休業するというケースが秋以降に発生することが多分に多いという事である。
つまり、年度当初でさえ、これだけの教員不足があるという事は、その1年はほぼ改善しないし、教頭も含めた教職員の負担で1年間を乗り切る決意をしなければならない。という事は、休業する教職員が発生するリスクが、極めて高くなるという事だ。
文科省も、学校の教員不足の調査を、より実態に即した形で行わなければならない。例えば、12月1日や1月1日時点での教員不足の調査を行う必要があるのではないか。

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