11月5日、仙台育英高校は、「報道にあった『いじめ重大事態』について(第二報)」を学校のwebpageに公表した。この事案の詳しい内容は、校長が在校生・保護者あてに送付した内容を読んでいただきたい。
ここでは、問題の所在について触れてきたい。いじめを行った生徒への調査は、まだ終了していないので、「なぜこの問題を防ぐことができなかったのか」という点について述べたいと思う。
校長の所見には次のように記載されている。
「当時の顧問団は、部員一人ひとりの心の状態に十分に目を配る体制を整えていたとは言えず、結果として、いじりの実態を把握できないまま被害が拡大し、3年次の重大事態へとつながったものと認識しております。」
この記述は、単に現象面だけを述べたに過ぎない。より問題なのは、なぜ「十分に目を配る体制を整えていたとは言えない」状態になったのかという事が問題だ。この点について、ソフト面とハード面から考えてみたい。
ソフト面の問題として、「いじり」と「いじめ」の認識の問題である。これについては、校長の所見にも、次のように記載されている。
「これは、指導にあたる顧問団にも同様の認識の欠如があった結果であり、指導体制そのものに構造的な課題が存在していたと考えます。」
しかし、なぜ欠如があったのだろうか。顧問団が同様の欠如を持ってしまったのか。「いじめ」に対する認識を深める研修を育英高校はどれだけ実施していたのだろうか。
ハード面については、指導体制が十分だったのかという問題だ。Webpageによると2023年度の部員数は、150名である。私立高校の強豪校と言われるところと同様に大人数である。このような状況で、どこまで一人一人の事を把握することができるのだろうか。校長が指摘する構造的な問題とは何かわからないが、このような部員数の多さに問題があるのかもしれない。
この間、私立高校のスポーツ強豪校と言われる学校で、問題事象が多発している。数少ない顧問で、部を運営しようとするハード面の問題は存在するのではないか。これは、経営上の問題である。指導する顧問の質の問題もあるが、経営体質の問題でもある。
今後、この重大事案についてどのような調査報告が行われるか注目していきたい。
https://www.sendaiikuei.ed.jp/media/files/_u/topic/file/22gda1s5d3.pdf

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