今、支援しないと・・・

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 8月9日の読売新聞に、日本語指導が必要な児童・生徒が6.9万人に上ることが掲載された。公立小中高で最多という。そのほとんどが、外国人の子どもたちだ。日本で働く外国人が増加している結果、日本語指導が必要な生徒が増加の一途を辿っている。見過ごすことができないのは、次の事実だ。
 日本語指導が必要な中学生の進学率→90.3%(全中学生99%)
     〃     高校の中退率→ 8.5%(全高校生1.1%)
 私が勤める通信制高校にも、外国籍生徒が通っている。高卒資格を取るために必死に頑張っている。しかし、高校に進学しない、そして進学しても中退してしまう外国籍の若者が、かなりいることも事実である。その若者たちも母国に帰るのではなく、多くの場合日本で生活を続けていくだろう。高卒資格が必須になりつつある日本の社会で、高卒資格に手が届かなかった外国籍の若者は、どうやって生きていくのだろうか。高卒の資格を得ても、日本語が不十分なら、安定した仕事に就くことができない現実を考えたときに、彼らの将来に大きな不安を感じる。彼らも生きていくために、何らかの糧を得なければならない。それが真っ当な仕事ならば良いが、非合法や犯罪に近い仕事ならば、それは危険だ。日本語が十分に理解できない彼らは、そういう仕事に引き込まれやすい。そして、日本社会の中でマイナーである彼らは、集団化する。そしてコミュニティを作っていく。それが健全なコミュニティならば問題ないが、社会から批判を受けるコミュニティなら、問題だ。外国人が多く住む地域の社会不安を呼び起こしてしまう。

 とかく、日本社会は閉鎖的であると言われ続けてきたが、これだけ外国人人材が働くようになれば、彼らの日本での生活を支援しなければならないだろう。その一つが、彼らの子どもへの教育支援だ。彼らが日本社会を理解し、馴染み、共に社会を構成するためには、まずは日本語の指導は必須であり、高卒は必須である。今、支援しないと外国人が日本で働く展望が持てなくなる。外国人に選ばれない日本の一因になりかねない。

 日本人も、彼らを白い目で見るのではなく、彼らが日本で生きていく上でどんな支援を我々が行っているかをしっかりと考えなければならない。将来のために、今、しっかりと支援しないと・・・。


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