中道改革連合の不十分な基本政策


 1月19日に高市首相の会見前に、新しく発足した中道改革連合が記者会見を開いて、綱領と基本政策を発表した。モットーは「生活者ファースト」だという。メディアでは、メディアのフィルターを通した報道になるので、webpageにアクセスして、原文を読んでみた。検索すると、中道改革連合のwebはなく、立憲民主党のwebに掲載されていた。それだけも急ごしらえの政党であることがわかる。

 さて、綱領・基本政策である。基本政策には次のような文面がある。

「この不確実性の時代において、良識ある政治と社会の安定を取り戻すために必要なのは、イデオロギーや対立を優先する政治ではなく、生活者一人ひとりの現実から出発する政治である。」

そのすぐ下には、

「私たちは、立憲主義を政治の土台とし、権力の濫用を防ぎ、個人の尊厳と自由を守る。」

ここでふと思った。立憲主義もイデオロギーではないか。政党とは、イデオロギーを一にする者が集い、結成するものだ。政党からイデオロギーを抜いたり、薄めたりしたらそれは烏合の衆でしかない。保守には保守のイデオロギーがあり、リベラル(左派)にもイデオロギーがある。そして、中道にも中道のイデオロギーがあるのだ。中道改革連合が、イデオロギーから距離を置くような記述には意味がない。中道も列記としたイデオロギーなのだから。

 次に、引っかかったのが、この文面だ。第1の柱に、

「再生可能エネルギーの最大限活用/将来的に原発に依存しない社会を目指しつつ、安全性が確実に確認され、実効性のある避難計画があり、地元の合意が得られた原発の再稼働」

がある。マスメディアでは、「立憲も原発容認」と報道されているが、私が引っかかったのは、この第1の柱に対して、第3の柱で

「持続可能な地球環境を未来に引き継ぐための、気候変動対策および生物多様性を守る環境政策の推進」

と記載されている。再生可能エネルギーと生物多様性を守る環境政策は両立するのかということだ。今、問題視されているのは、太陽光発電による森林破壊である。この2つの相反する政策をどのように進めるのかと疑問を持った。

 そして、最大の疑問は、第4の柱にある

「中国に対する懸念への毅然とした対応と、国益確保を両立させる中長期的視点に立った戦略的互恵関係の構築」

民主党時代、中国の漁船と海上保安庁の警備船との衝突事故があった。あの時、漁船の船長に何の罪も問わず、中国に返還したのは、誰だったのか。立憲民主党は、その流れにある政党である。そして、池田大作氏は、何回も中国を訪問している。公明党は親中であり、媚中なのだ。そんな2つの政党が合わさった中道改革連合に「中国に対する懸念への毅然とした対応」ができるわけがない。毅然とした対応をしているのは、高市政権である。台湾有事発言を「撤回しろ、撤回しろ」と迫った立憲議員がどれほどいたか。そんな党が、毅然とした対応とは、片腹痛いと言うしかない。

 そして、とって付けたように記述されているのが、

「平和安全法制が定める存立危機事態における自国防衛のための自衛権行使は合憲」

である。今まで違憲、違憲と騒いでいた立憲民主党は、どういう説明をするのか。平和安全法制制定時に、国会に寄せたデモに参加した立憲議員もいただろう。自分の行動にどういう言い訳をするのか。きちんと国民に説明しろと言いたい。
さらに言えば、合憲か違憲かなどと言っている時は、とうに過ぎたのだ。現実にある安全保障の危機に対して、どう対処するのかが問われている時期なのだ。日米安保は基軸にし、自由と民主主義、法の支配という理念を共有できる諸国との連携強化を図り、覇権主義国家、独裁国家の中露北朝鮮に対抗する陣形を構築しなければならない段階なのだ。中道改革連合の首脳陣の頭は、10年以上遅れている。自らのイデオロギー、特に立憲民主党のイデオロギーの清掃に付き合っている時ではない。

オールドメディアは、中道改革連合の政策について、大きく批判めいたことは言わない。親和性が高いのではないか。しかし、そのお花畑的政策をきちんと批判しないと、日本の針路は、大きく間違うことになる。


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