ロシア大統領選をめぐって

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 予想通りというか、やはりプーチンが大統領に当選した。このロシアの大統領選について、いろいろと報道がなされた。
①関西で放送されている日曜日13:30からの「そこまで言って委員会」
②文芸春秋4月号の佐藤優氏の寄稿文
③3月18日に放映された「映像の世紀 バタフライエフェクト ロシア 暗殺と粛清」
である。
①は、ロシアは多民族国家であり、ロシア連邦の崩壊がありうるのではないかと予想している。特に極東地域のロシア離れが話題になっていた。②反トランプよりのジャーナリスト、元FOXのニュース司会者タッカー・カールソン氏が長時間にわたってプーチンにインタビューした内容を、佐藤氏が分析したものだ。このインタビューは、ウクライナ侵攻後プーチンが初めて西側のインタビューを受けたもので、佐藤氏に言わせると「プーチンの本音」が垣間見えると言う。ところが、日本のマスコミは、このインタビューを重視せずに、十分な分析もなされていないと指摘する。読んでみて、「さすが、分析官!」という内容だ。東西の壁の崩壊からNATOの拡大、ウクライナのマイダン革命などをプーチンがどのように見ているか、そしてウクライナ戦争の停戦の落としどころをどのように考えているかを示唆している。一読の価値がある。
 最後の「映像の世紀」は、まだすべてを見終わっていない。見たのは、レーニンの社会主義革命後の内戦の悲惨さである。革命軍である赤軍と反革命側の白軍との凄まじい殺し合い、そしてレーニンが創設した秘密警察による拷問が報告されていた。悲惨な映像と共にである。スターリンが凶暴で残忍な独裁者であるのは周知の事実だが、その源流がレーニンから始まっている点に、この報道の新しい点がある。ロシアの社会主義革命(10月革命)の前にメンシュビキが主導した2月革命は、帝政ロシアを打倒し、ロシアの民主化をめざそうとした。この時、「ロシア国民はひとつになった」という当時のロシア人のコメントを知ったとき、社会主義革命とは何だったのかと思った。

 プーチンの大統領選勝利は予定通りだが、反プーチンの動きも底流で蠢いている。強権で強固に見えて、実は脆いというのが、プーチン政権だ。世界は益々流動化していく。


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