リベラルアーツの重要さ


 1月18日の読売新聞「新学力」のテーマは、「科学 基礎に『言語能力』」だ。本当は、昨日にコメントする予定だったが、奈良教育大学付属小学校の不適切指導について書いた。さて、今回のテーマで取り上げられているのが、SSHに指定された武庫川女子大学附属中学校・高校で読書指導に力を入れているという取り組みである。SSHと読書指導、一見関係が遠いように見えて、「読解力」を育て鍛えるという点で、重要だ。STEAM教育のAの重要性である。私はこれをリベラルアーツの重要性と理解している。世良田重人校長は、次のようにコメントしている。

「科学も含め、全ての学びの基礎には『言語能力』は必要だ。多くの本を読むことで、その力が鍛えられる。私たちの学校は、研究内容をまとめ、人前で発表する機会が多いが、生徒たちは無理なくできるようになっている」

その通りだと思う。
 この学校では、学校が薦める100冊を読破した生徒を表彰しているという。私の子どもが通っていた学校にも、「〇〇の100冊」(実際は、100冊以上ある)があった。高校時代にできる限り読書、それも古典といわれる良書に触れることで教養を身につけさせる試みである。「この取り組みはとても良い」と思い、管理職として赴任した学校で、図書部に対して提案したが実現しなかった。残念である。私の力が足りなかったところもあると思うが、先生方に「ピンッ」と響くアンテナが十分に立っていないこともある。当然、先生方の仕事が増えるわけだが、図書部は教務部・生徒指導部・進路指導部と比較して、業務がそれほど多くはなかった。これをやってくれたら、読書する生徒が増えるかもしれないのに・・・と思っていたものだ。こういうことが、阿吽の呼吸でできる学校が、伸びていくのだろうと思う。


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