シブヤ未来科!

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 5月2日に、Inspire High主催の「『午後は探究』から1年。渋谷区の探究実践例」のアーカイブを観た。4月28日に企画されたものであるが、5時半まで、そして冒頭はzoomに入ることができなかったので、アーカイブを観ることになった。
 シブヤ未来科は、渋谷区の小中学校が、Inspire Highと連携して行っている探究学習である。詳しいことは、渋谷区のwebにも掲載されているので、そちらを見てほしいのだが、ビックリしたのは、シブヤ未来科1期生で登場した中学2年生のフクオカさんだ。彼女の探究テーマは、まさにいまトレンド中のトレンドの「令和の米騒動」である。その発表内容は、NHKの解説にも負けない内容だった。というのも、彼女は職場体験を通じて、農水省・JA全中などに出かけ、直にインタビュー活動している。そういう生の声を基に、まとめた探究だから、極めてレベルが高い。

 質疑応答の中で、フクオカさんは、「探究が深められるサイクルってどんな感じですか?」という質問に対して、次のように答えていた。
「自分で探究の解を出しても、先生に見てもらったら、こういうような考えもあるよとか、親にも考え方の矛盾を指摘してもらったりして、違う視点からの考え方を知ることができた。それが探究を深めていくことになった」
と。こういう先生や大人が周囲にいるから、探究が深まっていくと改めて思った。

私が府立高校の校長をしていたとき、某総合学科でも探究学習を行っていた。代表の発表を聞いていたが、どれも調べ学習に軸足を置きながら探究学習の入り口に立っているモノばかりだった。「惜しい!」と思ったのだ。「もう少しアドバイスしてあげれば、素晴らしい探究になるのに!」と思ったのだ。何が渋谷区と違うのか。要は、探究の視点で伴奏してくれる先生(周囲の大人も含め)がいるかいないかの差である。渋谷区の中学校の先生も、
「30分で『My探究』ができましたって持ってくる生徒もいますよ。だけど、これはどうなの?あれはどうなの?とアドバイスすると、『そうですね、もっと調べて考えます』となるのです。」
と報告されていた。要は、探究学習への情熱の問題なのかもしれない。

大阪府で町ぐるみで探究学習をやっているところってあるのだろうか?あれば、教えてほしいと思う。


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