面白い記事を見つけた。西田梨紗氏の「小中学生の将来の夢は『野球選手』『パティシエ』 しかし、現実は…就業割合が高い職業とは何か」という記事だ。総合人事・人財サービスを展開するアデコ(東京都千代田区)が、2024年3月15~18日、全国の小中学生男女1800人に調査した小中学生の「将来就きたい職業」ランキング結果と実際の就業状況を比較したものだ。(下記リンク)
小中学生男子の希望職種は次の通り
「野球選手」(8.9%)
「サッカー選手」(7.1%)
「エンジニア・プログラマー」(6.4%)
「会社員(サラリーマン・OL)」(5.9%)
「YouTuberなどの動画投稿者」(4.9%)
「ゲームクリエイター」(4.4%)
「公務員」(3.9%)、「医者」(3.6%)
「先生(大学・高校・中学校・小学校、幼稚園など)」(3.2%)
「運転手(バス・タクシー・電車など)」(3.1%)
小中学生女子の希望職種は、
「パティシエ(お菓子職人)」(13.2%)
「先生(大学・高校・中学校・小学校、幼稚園など)」(7.2%)
「看護師」(5.9%)
「医者」(4.9%)
「会社員(サラリーマン・OL)」(4.0%)
「美容師」(3.3%)
「YouTuberなどの動画投稿者」(2.9%)
「学者・研究者」「警察官・刑事」「歌手」(いずれも1.9%)
である。
一方、労働政策研究・研修機構の「職業別にみた就業者の状況―労働力調査(基本集計)の結果から―」を見ると、
男性は、「専門的・技術的職業従事者」が18.6%と最も多く、次いで「生産工程従事者」が16.3%、そして、「事務従事者」が続いている。
女性は、「事務従事者」が27.9%と最も高く、「専門的・技術的職業従事者」(20.6%)、「サービス職業従事者」(18.7%)となっている。
つまり、小中学生の希望する職業と現実についている仕事にギャップが存在するのである。
ここにキャリア教育の必要性が生まれてくる。小中学生が将来に夢を抱くのは良い。逆に抱かなければならないだろう。ただ、夢を抱くのもその夢を抱くための情報源が必要である。その情報源が、自分の身の回りの職業であったり、親の職業であったり、テレビ・SNSなどで注目を浴びている職業であったりする。しかし、それでは世の中の大人がどのような仕事に従事しているのかはわからない。まずは、世の中にある「仕事」というものがどのようになっているのかをしっかり学ぶ必要がある。そして重要なことは、一つ一つの仕事がどのように社会貢献を行っているのかを知ることだ。
例えば、コロナ禍で世の中が止まったとき、病院勤務の看護師等、ゴミ収集業者、介護士、そして学校の重要性がクローズアップされた。いわゆるエッセンシャルワーカーと言われる人たちだ。この人たちの業務がストップしたら、社会に対して様々な影響を及ぼすことになる。こういうことをしっかりと教える必要がある。
さらに、ICTの発展、AIにより多くの職業が無くなり、そして新たな職業が産み出されていくことになるという事。重要なことは、創造的な仕事、0から1を産み出す仕事が重要とされること、AIでは対応できない人と人とのコミュニケーションが重視される仕事が残っていくという事だ。
小中学生と大人とのギャップ、そこにこそキャリア教育の重要性がある。
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