アニメ「チ。」における探究とは?


土曜日の夜に放映されているアニメ「『チ。』ー地球の運動について」も最終章に入った。アルベルトが登場する。3月8日はアルベルトが家庭教師ラファウから教授を受けるシーンがあった。この会話が興味深い。

ラファウがアルベルトに向かって

遠い昔、ギリシャで星座と神話が結びついた。それぞれの星座に様々な逸話があるけど、いて座は、ケンタウロス族の賢者ケイローンとされている。賢者とは探求者だ。どんな苦難にも折れず、普遍的な真理に情熱的に迫ろうとする。

君もその気持ちがわからないかい?夜空を見ると感じるだろ。タウマゼインを。それは、古代の哲学者曰く、知的探求の原資にある脅威。簡単に言い換えると、この世の美しさに痺れる肉体のこと。そして、それに近づきたいと願う精神のこと。つまり、「?」と、感じること。

  この一節は、探究とは何かをものの見事に語っている。この回を見終わった後に、ふと探究学習について考えた。探究学習に熱心な教師たちも悩むことがある。それは探究学習の入り口にある「問いを立てること」だ。これが苦手なというか、できないというよりも、関心がない生徒がいるのだ。好奇心が薄い、無いと言ってしまえば、それまでだが、これでは探究学習は成り立たない。個々の生徒の精神的成長具合もあると思うが、「?」を持たない場合は多い。

というか、「?」を持ってもネット社会では、すぐに調べたら答えが見つかることが多い。日常的に大人も含めて調べ学習で満足してしまっている。更にAIの登場で、益々調べ学習は盛んになる。人間の探究心が喪失していくように思うのだ。

この「チ。」でのシーン、もう一度、探究とは何なのかを思い出させてくれる名シーンだ。


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