よく頑張った!

,

 「君たちはよく頑張った!本当によく頑張った!」誰の言葉かというと、珠洲市の先生の言葉である。珠洲市で学校が再開し、久しぶりに登校してきた子どもたちへの第一声だ。夕食を食べながらニュースを見ていたが、思わず涙がこぼれそうになった。目頭が熱くなった。この先生もおそらく被災したのだろう。同じ境遇の中で、1月1日からともに被災地で頑張ってきたがゆえに出てきた言葉だろう。子どもたちも、この一言でどれだけ癒され、どれだけ勇気づけられたか。先生だからこそ、子どもたちに伝えられる言葉である。この一言で互いに通じ合える言葉だと思う。AIには、こんな言葉は思いつかない。

 以前に、式辞のたたき台をAIで作成することを、AIの活用事例で文科省が提示したことに、読売新聞教育部長が違和感を述べていた。まさにその通りだろうと思う。やはり、教育は「人と人とのつながり」なのだ。先生の発する一言一言、一挙手一投足が子どもに大きく影響を及ぼすのだ。この先生は、素晴らしい先生だと思う。この先生も、登校してくる子どもたちにどんな言葉を伝えたらよいか、ずいぶん悩まれたのではないか。だが、最後に出たのは、被災した者として互いに頑張ったことを讃えようと思ったのではないか。絞り出すように発せられた「よく頑張った!」という言葉に、字面以上の気持ちが乗っかっていた。本当に良い先生だ。子どもたちも、一生この時を忘れないだろう。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP