やはり主権者教育!


 10月19日の「正義のミカタ」で高橋洋一氏が面白いことを言っていた。以下、その内容である。マスコミの世論調査はだいたい、「与党過半数維持か?」という調査結果だが、この調査は電話を利用した調査である。ところが時事通信社の調査は対面調査で、きちんと調査している。その調査結果では石破内閣支持率は、28%と2000年以降の内閣としては最低であること、そして、自民党の支持率も26.1%で、合計すると46.1%と50%を割る。元自民党参議院幹事長だった青木氏が述べた「青木率」によると、内閣支持率+自民党支持率<50%だと危険水域なのだ。石破内閣は発足当初から危険水域になっている。自民党過半数割れの可能性は高いというのだ。

 また、選挙期間中は、選挙に関する報道が少ないことに関して、放送法による不偏不党が影響し、各政党を「平等」に扱わなければならないことから、突っ込んだ報道がなされないという解説がジャーナリストの青山氏からあった。アメリカにはそういう法律は無いし、自民党総裁選もこの法律の外にあるので、マスコミではガンガン報道していた。おかしいと思う。政権選択選挙である衆議院の選挙で、有権者がきちんと判断できるようにガンガン論点を掘り下げ、公約を批判的に検討し、投票行動を促すことが、マスコミに求められる使命ではないかと思うのだ。あまりにも不偏不党に縛られ過ぎているように思う。

 と言っても、投票行動を起こさない国民も問題だ。投票率が50%そこそこしかないというのは、有権者の1/4以下程度の支持で国会議員が選ばれるということである。欧州のように投票率が70%、80%であるべきだろう。そのために何が必要か。同じく「正義のミカタ」のコメンテーターである藤井氏が面白いたとえ話をした。どの政党に投票するかというのは、親が子どもにお使いを頼むようなものだ。買い物をするのに必要なお金は税金、その税金を正しく使ってくれる、つまり、頼んだことをきちんとお使いしてくれる子どもが重要だというのである。そのために大切なことは、信頼できる子どもであることと、頼んだことをきちんとやってくれる能力がある子どもだということだ。明らかに親は主権者であり、子どもは政党だ。面白いたとえである。やはり、大事なことは主権者教育だろう。納税者として税金がどのように使われているかをしっかりと監督し、理解し、そして国民のために税金が使われるような政治を行う政府や政治家を選ぶということが大事だ。

 学校現場も、過剰に「不偏不党」になっているのではないだろうか。政治的中立性は当然である。しかし、今の日本の税金の在り方やその税金の使われ方について、もっと理解を深める教育は必要だろう。新聞には、政党の公約が掲載されている。これらの資料を使って、グループ討議をすることも大事だろう。そして、論点を明確にしていくような議論が必要だ。一時期、18歳まで投票権が引き下げられた時、「模擬投票」なるものが流行った。私が校長していた学校でも模擬投票が行われ、実際に使われる投票箱を用いて投票をするということが行われたが、「実際の投票箱を使う」なんて言うのは、枝葉の話である。校長をしていた時は、「良い取り組みですね」と教員を褒めなければならなかったが、今ははっきり言おう、本質が何かをしっかりと見なさいと。「実際の投票箱」が教育的効果をもたらすのではなく、実際の税金の使われ方を考えることが、主権者教育につながるのだ。


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