11月16日の読売新聞3面に、教員の残業手当についての記事が前面に載っていた。この新聞面は、読売新聞が重要であると判断した記事の「深掘り」をするところなので、こういう記事が掲載されて、ある意味嬉しさを感じていた。教員の残業代がこのような取り扱われ方するのも、財務省のおかげかもしれない。文科省が概算請求した「教職調整手当13%アップ」に対して、まるで違う観点から財務省が対案を出したからだ。以前にも書いたように、両省の案には、かなりの隔たりがある。落ち着くところがまるで見えない。それに加えて、与党の過半数割れによって、政治情勢がコロッと変わってしまった。以前のブログにも書いたが、「衆議院選の結果次第で大きく変わる」というのが現実味を帯びてきたのだ。立憲民主党も国民民主党も連合の支援を受けており、両党とも給特法の廃止及び抜本的見直しを公約として掲げているのだ。政治の流動化により衆議院選挙前とは、教員の待遇改善の問題は大きく様相を変えたと言えるだろう。
さて、新聞記事を読むと、現場の教員のインタビューが掲載されており、文科省案賛成派と財務省案賛成派が紹介されていた。公共の新聞であれば、このような扱いにならざるを得ないだろう。その結果、どっち派になるのかという話になってしまう。しかし、だまされてはいけない。本来の議論は、残業に対する正当な対価を支払うことから始めなければならない。つまり、
給特法の廃止または抜本的見直し
↓
残業代の支給
↓
学校への人員配置による働き方改革の推進
↓
残業時間の減少
↓
教員志望の増加
である。文科省案にしろ、財務省案にしろ、改革の順番が逆(財務省案)だったり、給特法の維持に拘ったりしている(文科省案)のだ。今こそ、立憲民主党や国民民主党は、教員の働き方改革に向けた、そして学校現場の窮状を救う第三の案を出さなければならない。
この問題が、もっと政治において焦点化することを望む。
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