とうとうやってきた!


 8月8日午後4時38分ごろ、宮崎県日向灘でマグニチュード7.1の地震が発生した。南海トラフ地震発生の想定内での発生だ。早速気象庁は評価委員会を開き、初の「臨時情報(巨大地震注意)」を発表した。南海トラフ地震発生の危険性が数段高まったと言える。専門家の予想では、2030年前後と言われていたので、「まだだろう」と高を括っていたが、地球の時間軸と人の時間軸は全然違うということを改めて認識させられた。

 さて、学校で行われる防災訓練である。東日本大震災以降、学校で行われる防災訓練も大きく変化した。防災訓練と言えば、ホームルームの時間に、防災について勉強し、先生が「今日は防災訓練するぞう!」とあらかじめ生徒に伝えたうえで、校内放送で「ただいま地震が発生しました」などと伝える。生徒や教師は、机の下に身を隠し、安全を確保してから運動場に決められた経路を通って集合、そして点呼・訓話ということが良く行われてきた。しかし、私は、自分が生徒の時から、そして教師になってからも、この避難訓練には疑問を持っていたし、真剣に取り組む気がしなかった。理由は簡単、「地震っていつ起こるかわからないじゃないですか!」ということだ。
 そこで、こんな防災訓練を実施している学校に出会った。生徒には何の連絡もしない。教師だけは知っている。そして、地震発生の放送は、休み時間である。休み時間だから生徒はどこにいるかわからない。そして、自分のいる場所から運動場に集合するのだ。教師は、運動場で点呼する。当然避難経路などは、指示しない。自分で判断するのだ。避難経路にも、妨害物を置き、通れないようにしている。どこが安全か自分で判断するのだ。そして、全員の確認が取れたところで教室に戻り、自分が避難した経路を答えるというものだ。生徒の判断で避難した経路を見ると、予期せぬ経路を通って避難している生徒もいた。なかなか賢明な判断をしている生徒もいるのだ。この訓練の目的は、「自分の命は自分で守る」というものだ。いつ起こるかわからない災害に対して、自分の命を守るために、最大限適切な判断をすること、その能力を養う訓練が重要となる。沿岸地区の学校では、集団で高台まで非難する訓練も行っている。

 私は今、大阪市の難波に勤めている。標高は2mもない。津波が来れば確実に水没する建物である。南海トラフ地震が発生すれば、30分から40分で津波が到達するというところだ。万一の事を考え、避難場所を私は考えている。まっすぐ東に進み、とにかく上町台地に上ることだ。これでなんとか、自分の命は守れるのではないかと考えている。あとはどれだけ生き延びることが出来るか、最善の努力をして、運を天に任すしかない。


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